秋の味覚「秋刀魚」で学ぶ食育
2016.11.28
秋と聞いて思い出すもの、スポーツや読書、そして食べ物。全国のどろんこ保育園では、今年もまた秋の味覚を楽しむ「秋刀魚(さんま)祭」が開催されました。今回は2016年4月に新規開園した埼玉県ふじみ野市の「ふじみ野どろんこ保育園」での様子をお届けします。
「ふじみ野どろんこ保育園」では、初めてのイベントに意気込んでなんと秋刀魚100尾を仕入れる気合の入れよう。魚を焼く香ばしい匂いに誘われてやってきた地域の方々にも、日頃の感謝を込めておすそ分けしました。
命を頂くということ
この秋刀魚祭に備え、職員は朝から炭の火おこしや下ごしらえに大忙し。今やスーパーで調理済みの焼き魚も売られているご時世に、どうしてそんなに手間を掛けるのでしょうか。それは子どもたちが食べ物との関わりを知る、大切な機会だからです。
魚をさばく、ときには血が出てくるようなところも、決して子どもたちに隠すことはしません。むしろ子どもたちに一つひとつていねいに見せて、きちんと説明をしていきます。
「この魚の血は、みんなにも流れているんだよ」
「大きさや形は違うけど、みんなのお腹の中にも同じ臓器があるんだ」
最初は怖がっていた子どもたちも、真剣な表情で聞き入ります。秋刀魚もみんなと同じ生き物。人間は生きていくためにさまざまな生き物から命を「頂いている」んです。感受性が豊かな子どもたちは、こういった実際の体験から人間と食べ物との関わりや生きるための営みを知り、考え、学びながら育っていきます。
秋が来ると思い出す
肌寒い風が吹き、たっぷりと脂の乗った秋刀魚の香りをかぐとき、きっと子どもたちはこの日の体験を思い出すでしょう。それも一つの「食育」の形。季節を楽しむ秋刀魚祭は今年もまた、各地のどろんこ保育園で行われました。