すべての子どもの心に寄り添うためにー「発達障がいについて学ぶ体験型ワークショップ」を開催。
2018.03.01
どろんこ会グループでは保育の質を上げるために全職員対象の保育スキル講座、各園での自主勉強会に取り組んでおり、内容は「子どもの心を理解する講座」や「食育」、「手作りおもちゃの作り方や教え方」、「子どもを魅力的に写すカメラ術」、「コーチング」、「危機管理」など分野は多岐にわたります。
今回は発達支援事業部により開催された「発達障がいについて学ぶ体験型ワークショップ」についてレポートします。
「あの時こんな支援が欲しかった…」講師である当事者の実体験のエピソード
今回のワークショップの前半は、ご自身も「アスペルガー症候群」と診断され、社会性やコミュニケーションなどの部分に困難があり、幼少期から生きづらさを抱えてきた当事者のソルトさん(ハンドルネーム)による講演会でした。現在は数字に強い特性を活かして一般企業の経理職として働きながら、当事者研究・発表を通じて啓発活動に取り組まれています。
発達障がい当事者の「生きた体験談」を聞ける機会ということもあり、参加者は真剣な表情でソルトさんのエピソードに聞き入っていました。
講演の終盤、ソルトさんの「子どもの支援に関わる皆さんにお願いしたいこと」のお話に深く頷く参加者の姿が多く見られました。
発達障がいの「生きづらさ」を実際に体験してみたら…
後半では発達障がいを抱える子どもたちの「生きづらさ」を疑似体験し、必要な支援を話し合うグループワークが行われました。
「映像による疑似体験」ができるワークでは、不注意が目立つ子どもの教室での様子、それに対する先生やまわりの友達の関わり方がスクリーンに映し出されました。
その後は体験型ワークへ。
利き腕でない手で箸を持っておはじきを空の皿に移します。このワークはペアになって行われました。
箸を使う人はペアの人から「早くしなさい!」「急いで!」「何してるの!」など気持ちを焦らされる言葉のプレッシャーの中で時間を気にしながらおはじきを移さなければいけません。これは発達上、手先を使う作業に困難を抱える子どもたちが、大人たちの時間に対するプレッシャーにどう感じるか?を疑似体験するために行われました。
次に、日常生活では身近になっている外来語を一切使わないで相手に伝えるワークが行われました。「スマホ」「メモリ」「ファイル」など、生活では当たり前のように使っている言葉を一切使えないことに、言葉の難しさ・もどかしさを感じたようで
参加者の口からも「苦しい~!」「これも外来語だったの?」と数々の感想が聞こえました。こちらも、言葉でうまく表現できない子ども、しかもコミュニケーションに困難を抱えた子どもたちが「伝えることの難しさをどのように感じているか」を疑似体験するためのワークでした。
職種や立場をこえて、子どもたちに必要な支援を考える
どろんこ会グループの研修は基本的には参加者を職種や職位で限定していません。今回の参加者も発達支援事業部の職員だけでなく、保育士、調理師や事務スタッフ、アルバイトスタッフ、本部スタッフ、など様々なバックグラウンドの参加者で構成されていました。今回のワークショップは法人本部がある渋谷で週末の夜に行われました。
参加者によっては特急列車を乗り継いで2時間以上かけて参加した職員や、日中の業務を終えて急いで開始時間に間に合わせて参加した職員も。そこまでして今回のワークショップに何故参加したのか?その理由にも「どろんこ会らしさ」が現れていました。
療育を受けている子どもたちもいずれは社会に出る。「子どもの頃だけ」ではなくて、「大人になってから」の当事者の体験談が聞きたくて集団生活の中で何か困っているなと思う子が何人かいて、その子たちが感じていることを知りたかった。保護者に、その子の困りごとをどう伝えてあげればよいかのヒントも欲しくて私は園の事務職員ですが、保護者の方ともお話しする機会もあるでしょうし、そのときに少しでも知識を持っておきたくてクラス担任ではないですが、だからこそ少し離れた場所から客観的な立場で見られる広い視点を養いたくて
などなど、「子どもの明るい未来のために自分ができること」を考え自発的な行動をとろうとする参加者ばかり。参加者同士も日頃なかなか会うことのできない他園や、バックグラウンドの違う職員と顔をあわせ意見交換することで、新たな気づきや保育・療育のヒントを持ち帰ることができたようでした。
-すべての子どもの心に寄り添うために--
今後もどろんこ会グループは研修や勉強会などを通じて保育・療育の質の向上に日々力を注いでいきます。
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