学び続ける保育者へ。若手園長が担う「質上げ委員会」
2019.11.07
どろんこ会グループの全施設がエリアごとに毎月開催している「保育の質を上げる会議」。以前、この会議の上半期の研究成果発表の様子をレポートしました。今回はその舞台裏、この会議の運営を担っている「保育の質を上げる会議委員会(質上げ委員会)」の活動についてお伝えします。
保育の質を上げる会議「0・1・2歳児のゾーン保育」研究成果を発表!
社内最高峰の勉強会をボトムアップで
「保育の質を上げる会義」は、最初は本部職員の課長が担当エリアごとに開催し、その後は、保育が時代の変化に合わせて更新される中で、現場視点でスーパーバイザーを務めるベテラン園長数名が中心となって進める学びの場でした。2019年度からはその運営方法も見直しへ。トップダウンではなく、各エリアで立候補した園長数名が「質上げ委員会」を担い、エリアにある保育園・発達支援つむぎ全て、引いては法人全体の保育の質を上げていく視点を持って、自分たちで主体的に対話し、ボトムアップで進められるように舵を切りました。
会議には、各保育園・発達支援つむぎでリーダー的な役割を担う、または期待されている職員が参加します。まさに次代の人材を育成する場であり、法人内の数ある勉強会の中で最高峰の位置づけ。この会議の運営を担うのは、エリアごとの「質上げ委員会」に立候補した園長複数名です。今回、5名の園長に「質上げ委員会」の活動ついてインタビューしました。
「質上げ委員会」に立候補した理由
—「質上げ委員会」はどんな活動をしているのですか?
馬場園長(新座どろんこ保育園 埼玉県新座市) 「保育の質を上げる会議」と同日の午後に行われる「施設長勉強会」の企画、運営を担っています。
羽澤園長(仲町どろんこ保育園 埼玉県朝霞市) 1年間の大きなテーマに沿って、毎月の会議の内容と事前課題を企画します。会議当日のファシリテーター、会議後の振り返りでは各園から出ていた課題を共有して、次回はどんな内容で進めていくべきかを話しています。
—「質上げ委員会」に立候補した理由は?
馬場園長 人材育成の視点から、保育園が複数拠点あるからこそできること、その強みを生かしたいと考えていました。私自身、一つの園の中では解決が難しいことも、他の園と様々な事例を共有することで、保育の質を高められることを学んできました。今度は若手職員が成長できる場、学べる場をサポートしたいと思ったのがきっかけです。
羽澤園長 今年度初めて園長になりましたが、他の園長に比べると私自身がまだ若手。園の職員も若い年齢層が多く、自分自身がマネジメントを学ばないといけないという思いがあり、その一つが「質上げ委員会」でした。
鈴木園長(三鷹どろんこ保育園 東京都三鷹市)私の場合は「何かを作っていく、物事を動かしていく」ことが好きで、仕事のモチベーションの源泉になっています。「質上げ委員会」はまさにモチベーションにつながる場だと思い、立候補しました。
若杉園長(南魚沼どろんこ保育園 新潟県南魚沼市) 南魚沼どろんこ保育園は遠隔地なので、私自身が本社に来るのが「保育の質を上げる会議」「施設長勉強会」の日だけなんです。他園とやり取りや情報量が少ない状況ではありますが、それを理由に保育の質が上がらないことは避けたい。だから、まずは自分自身が刺激を受けたいと思いました。
—実際に活動してみていかがですか?
馬場園長 去年はスーパーバイザーの園長と私の二人で進めていました。今年はチームで進めていることもあり、いろんな人が知恵を持ち寄ることで、より良いよいものになっていると感じています。各園の動きが変わってきていて、参加者の主体性を感じられるようになってとても嬉しいです。特に7月に実施した成果発表はとても良かったと思います。
羽澤園長 保育の質を上げる会議では若手職員のリアルな声、意見を聞くことができ、それをどうマネジメントするかを他の委員と一緒に考える経験が私自身の学びになっています。施設長勉強会は、園長1年目の私にとっては実はとてもプレッシャーで、本音は参加者側に入っておきたい(笑)。でも若手職員がやりたいことを自園でチャレンジする時に、園長陣が理解していないということがないよう、若手職員の思いを施設長勉強会に繋いでいきたいと思っています。
若杉園長 一人ではなく、みんな一緒に次のステージに上がろうとする力が刺激になります。自園だけでなく、法人全体のレベルアップを目指しているところが素晴らしいし、楽しいと思える部分です。
鈴木園長 やりがいがある一方で、「学びがない」と思われないようにというプレッシャーはとても大きいです。ディスカッションがうまくいっていない時、自分の問いの出し方が悪かったかな…と落ち込むこともあります。
馬場園長 そうですね、参加した職員が「学びが少なかった」と思って帰らないよう、毎回のプレッシャーがとても大きいんです(笑)。
—やりがいもプレッシャーもある「質上げ委員会」が目指しているのは?
馬場園長 保育園・発達支援の全施設が、全ての子どもたちにとって「大きなおうち」となることが、全エリア共通のミッションです。「大きなおうち」実現のために、ゾーン保育、各年齢の発達の理解、五領域ということを1年かけて学んでいます。1年終わった段階で、参加者が各園でリーダーシップを発揮して「質を上げる」アクションをとっていること、それが目指すところです。
学び続ける保育者へ
保育の質を上げるためにどうすればよいのか、トップダウンでベテラン園長が知識や経験を教えることが、一見早道に見えるかもしれません。ですが、変化が激しく、常に学び続けることが求められる時代を生きていく今の子どもたちの子育てに関わる者として、保育者自身も主体的に学び続けなければなりません。そんな時代背景の中、意志を持って「質上げ委員会」に立候補した園長たち。学びの場をボトムアップで作っていくことに大きなプレッシャーを感じながらも、参加者だけでなく、自分自身の学びが深まっていくことを実感しているようです。1年間の会議が終わった後、参加者が各園でどのようなアクションをおこしたのか、引き続きお伝えしていきたいと思います。
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