苦労も大切な経験になる。4人の子育てをしながら仕事を続けて
2019.11.21
現在、どろんこ会グループでは、3人、4人以上のお子さんを育てながら働くママさん職員が多く活躍しています。
そのなかの一人が、今回お話を聞いた岩崎さんです。岩崎さんは、現在までに産休・育休を経ながら、朝霞どろんこ保育園(埼玉県朝霞市)や小規模園の園長を経験し、約10年どろんこ会グループで活躍しているママさん保育士です。現在は、9歳、7歳、5歳、2歳の4人の男の子を育てながら、新座どろんこ保育園(埼玉県新座市)で主任を務めています。
子育てしながら働く大変さや救われたこと、その想いを語っていただきました。
運命的な出会い。幼稚園からどろんこ会グループへの転職。
─どろんこ会グループ入社のきっかけから今までの経歴を教えてください。
岩崎:新卒後、幼稚園に5年ほど勤めていました。そこへメリー★ポピンズkids朝霞ルームの職員と安永理事長が勤務先の幼稚園に視察に来た際、職員室で安永理事長が自身が運営する保育園についてお話されていたんです。私は「こんな保育園があるんだ!」と運命を感じました。
保育内容もですが、正社員もパートもある柔軟な働き方、有給の取りやすさなど待遇に惹かれました。当時の一般的な幼稚園は「結婚をすると退職へ」という流れがあって、結婚後も長く働ける保育園に転職したいと思っていた時だったんです。
幼稚園を退職後、どろんこ会グループに入社。メリー★ポピンズ朝霞北口ルームで働き始めました。その後、園長として朝霞どろんこ保育園(埼玉県朝霞市)の立ち上げに関わり、ほどなく結婚。長男と次男を妊娠出産しました。
当時は本社機能が朝霞どろんこ保育園においてあったので、産休育休中は安永理事長などが園長代理として助けてくれました。ですが、事務的なことはギリギリまでできても、ずっと園に居続けることはできません。園長が年度途中で休職に入ってしまうことは現場で頑張る職員のことを思うととても心苦しく、「私の描く園長像」と実際の「自身の園長としての姿」の違いに疑問を感じ、次男妊娠・出産時には退職届けを出そうかと思うほど迷いました。仕事を辞めることは考えていませんでしたが、園長の職務を全うできるか本当にものすごく悩みましたね。
こうした悩みも含め、マネージャーや人事部長など、日頃から本部職員の方とはコミュニケーションを取っていました。その関係性があったため、「仕事だけでなく、家のことや子どものことも大切にしたい、ここで働きたい」という私の気持ちも、きちんと話せばわかってくれるのではないか、と思っていました。そして、実際に働き続けられるよう私の希望も受け入れてくれたんです。
次男の育休明けは、メリー★ポピンズ東武練馬ルーム(東京都練馬区)に半年間在籍、そして志木どろんこ保育園(埼玉県志木市)の立ち上げに主任として関わりました。三男の妊娠中に板橋仲町どろんこ保育園(東京都板橋区)に転勤になり、産休育休を経たあと、今の新座どろんこ保育園で四男を妊娠出産しました。
園長も経験しましたが、今の私には主任という立場が合っていると思います。園長の立場も職員の気持ちも分かるので、主任として、双方の橋渡しをしつつ自分らしく働けていますね。
─岩崎さん自身、これまでに「仕事を辞める」ことかが頭に浮かんだこと はありましたか?
岩崎:私はもともと専業主婦になる選択肢が頭になかったんです。育休中も家に一人でこもることなく、継続的に外の世界との関わりを持ちたいと思っていました。そのため、夫となる人の勤務形式や実家に近い職場、退社時間など、どうすれば長く働き続けられるかを考えながら、節目節目で選択してきました。どろんこ会グループは働き方が色々あるので、自分の生活環境に合わせて選んできた感じです。あと、会社の人たちはきちんと話せば個人の考え方も尊重してくれるだろうという信頼もありました。
ただ、三男を妊娠中だった板橋仲町どろんこのときは、通勤に2時間かかるなど、体力的に本当に大変でした。でも「つわり」と一緒でいつかは終わると思って乗り切りましたね。本当に大変なことも、いつかは終わるんですよね。なんとか乗り越えられました。
大変なこともいつかは終わる!長く働くためにできること
─よくある一日のスケジュールを教えてください。
岩崎:朝は5時に起きています。朝ごはんの用意をして6時に子どもを起こします。下の2人は6時50分に私が保育園へ送り、そのまま8時に出勤。小学生2人が出るのは7時40分で、見送りは夫がしてくれています。退社は17時で、お迎え後に家事をして、21時には子どもと一緒に寝ています。持ち帰り仕事がないように時間内に工夫して仕事しています。
─家事面で工夫していることはありますか?
岩崎:夫が18時ごろ帰宅するので、協力しながらこなしています。あとは生協の宅配を利用したり、朝のうちに夕飯の簡単な下ごしらえをしたりしていますね。 うちは夫が残業がほとんどない職種のため、比較的早く帰宅できるんです。家事や育児を一緒にしてくれる点には感謝していますね。
─4人も子どもがいれば、その分、体調不良や行事などが増えてくると思います。両立にあたり工夫している点はありますか?
岩崎:夫の協力もあるので私は恵まれている方だと思います。子どももみんな0歳から同じ保育園に通えました。同じ保育園なので雑事も減るんです。
あとは早寝早起きをして、体調管理には気を使っています。ラッキーなことに子どもが元気で、あまり病気にならないんです。また、実家から近くに自宅を構えたので、いざとなったら実家を頼っています。
─忙しい日々の中で、子どもとの時間はどう過ごしていますか。
岩崎:夫が土日祝日と家にいないので、休みの日は子どもとの時間を大切にしています。家にいるとついつい子どもを怒ることが増えてしまうので、怒らずに済むよう、近くの公園などに出かけてのんびりゆっくり過ごしていますね。
授業参観や運動会などにも半休(半日休暇)を利用するなどして参加できています。スケジュールを調整して、今年度は小学校のPTAと子ども会の副会長にもチャレンジしています。子どもの数が多いので保育園でも小学校でも様々な方々にお世話になっていて、自分でできる恩返しは少しずつでもしていきたいと思って。半休を使えば細かい時間のやりくりができるので、今しかない子どもの用事ともきちんと関わる時間が取れています。シフトを調整し、送り出してくれる職場のスタッフ達にもありがたい気持ちでいっぱいですね。
子育ての先輩としてメッセージ。長く働くことで得られる信頼があります。
─妊娠出産前に抱いているイメージと現実にはギャップがあります。わからないがゆえに漠然とした不安を抱えている人、産後、想定外の変化の大きさに「辞めた方がいいかもしれない」と悩んでいる人に伝えたいことは何でしょうか。
岩崎:産休育休で戻るのに不安なことはわかるけど、絶対に周りがサポートし、助けてくれるので、働き続けて欲しいですね。同じ経験をしている先輩職員もたくさんいますので、ちゃんと話せば理解してもらえると思います。
私が一番大変だった頃に、先輩職員から「今は子育てが第一!何も申し訳なくないのよ。お母さんも疲れているんだから休んでいいの」と声をかけてもらったことがあるんです。急に休むこともあり、いつも申し訳ないなと思いながら仕事をしていましたが、その言葉にとても救われました。なので、いつも周りへの感謝の気持ちを忘れないように、言葉でも伝えるようにしています。「遅番・早番をしてくれてありがとう」「行事の準備をしてくれてありがとう」「忙しい中、お掃除してくれてありがとう」等々、仲間である職員にしてもらったことに関しては、すべて「ありがとう」と伝えています。子育てが一段落したら、今度は私が頼られる立場になりたいですね。
あとは長く同じ所に勤めていると相談できる相手もできますし、会社の仕組みも分かるので不安が軽減できるかと思います。同僚、園長、また本部職員などと信頼できる関係を日頃から築いておくことも大切かなと思っています。
─子育てが仕事に活かされていると思ったエピソードはありますか?
岩崎:たくさんありますよ!自身の経験が毎日の保育の様々なことに活かされると思います。私自身が子どもの保育園では保護者であり、保護者の方の気持ちもわかるので、対応のバリエーションは豊かになっていると思います。送りに来た時の表情を見て、今日は急いでそうだからと手短にお話しするなど、保護者の方に寄り添えた対応ができますね。
一方で職員の気持ちも分かるので、両方の意見を汲み取ったアドバイスや言葉がけができると思っています。
─岩崎さんのこれからの5年、10年後の目標を教えて下さい。
岩崎:5、10年後は…まだ想像がつかないですね。5年前には、今4人の子育てしているとは思ってもいませんでしたし。今は未知の未来を楽しみにしていたいです。 ただ、もっと先、おばあちゃんになってもどろんこ保育園に勤めていたいなと思います。例えば、早番・遅番専門スタッフなどで、まだまだ保育に関わっていたいですね。それができる保育園だとも思っています。
岩崎さんは長く働くために色々準備し、備えてきた方です。家族や周囲の協力なしに4人の子育てをしながら働くのは、なかなかの至難の技。しかし、周囲への感謝を忘れずにいることで、周りが助けてくれる環境を整えてきたようです。
取材を終えて
「特に時短制度と半休(半日休暇)がとっても助かっています」と話していた岩崎さん。どろんこ会グループでは、小学校6年生までと長く時短勤務ができ、状況に合わせた働き方をその都度提案しています。 時短制度は、育児や介護など、これまで通りの働き方が困難になった人にとっては、働き続けるために推奨されている制度です。しかし一方で、時短職員が増えることは、その他の職員がその分の時間帯をカバーすることが増えてしまうといった側面があります。
人手が不足している現場では、こうした傾向が特に強まってしまうため、職員の不満、要望が出されることも事実。そして、周囲へ迷惑をかけたくないという心情から、妊娠・出産を機に「このまま続けられるのだろうか…」と揺らぎ迷う職員もいます。
しかし、どろんこ会グループでは、母としての経験も是非保育に活かしてほしいと考えています。「今は」確かにフルタイムが難しかったり、子どもの病気等で突然シフトに穴をあけてしまったりすることに心苦しさや申し訳無さを持つかもしれません。しかし、長期的スパンで考えれば、子育て経験を経て仕事を続けてきた保育士は、働く親の気持ちに当事者としても寄り添える保育者になりえるはずだからです。 各々のライフイベントに応じて、「お互い様」と協力し合いながら仕事をしていけること。キャリアを断絶することなく、緩やかにでも積み上げていけること。子育てを応援する保育業界だからこそ、私達自身がすべての人が状況に応じた働き方で輝ける環境を整えていきたい。そう強く願っています。
ライフイベントに応じて、柔軟な「働き方」も可能です
私達は、出産・育児・介護など、誰もが経験するかもしれないライフイベントによって仕事を諦めずにすむ社会を目指し、自社内での取り組みにも力を入れています。私達と一緒に働きませんか。
保育士、看護師、栄養士・調理師、発達支援・療育スタッフなど募集しています。新卒・中途問わず、想いをお持ちの方のお問合せ・ご応募お待ちしています。