保育を支える、タテ・ヨコ・ナナメの柔軟な関係を。2019年全体研修
2019.12.26
11~12月にかけて開催されたどろんこ会グループの正職員全体研修。今年は、仙台エリアを皮切りに、沖縄エリア、関東エリア、と全国各地で計5回開催され、多くの職員が参加しました。
今回は、その中から関東エリアで開催された全体研修の様子をレポートします。
第1部は代表の想いを職員へ直接伝える場
まず最初に高掘代表、安永理事長が、どろんこ会グループの事業計画の振り返りや今後の戦略、これからの子育て・保育について発表しました。
高堀代表は、創業以来のどろんこ会グループの事業計画の振り返りについてスピーチしました。どろんこ会グループが現在取組んでいることは国連が推奨するSDGs(持続可能な開発目標)にもつながっていること、また、今後より一層浮き彫りになるであろう世の中の課題に対して、私達は子育て(保育)を通じて社会課題を解決する集団でありたいと職員たちに訴えました。さらに、今後5年の事業計画や戦略なども紹介し、法人として目指すゴールを再確認しました。
※SDGs:エスディージーズ。「Sustainable Development Goals(持続可能な開発目標)」を指す。貧困や教育、飢餓、ジェンダーなど、解決すべき17の目標と169のターゲットで成る。2015年9月の国連サミットで採択され、国連加盟193か国が2016年から2030年の15年間での達成を目指している。
職員全員が法人の今日までを振り返り、代表・理事長と同じ想いやゴールを再確認する時間となりました。
第2部は自園・他園の良さに改めて気がつく場に。
第2部では、フロアを移動して今回参加した33施設による発表が行われました。今回の発表テーマは「園・ルーム自慢」。施設ごとにブースに分かれ、それぞれが自園の紹介、特徴、取り組みについて紹介します。「今一度自園を振り返って良いところを探し、他園の良いところを見つけることで、翌日からすぐに使える『気づき』を持ち帰って欲しい」との主催者の思いが込められています。『自慢を発表してください』というお題に対して発表方法は各園自由。園ごとに個性が光る表現方法で、思い思いに発表しました。
今回参加した園の中からいくつかご紹介します。
ーー元気の源「志木ルーム火力発電所」×資格保持者が語るアートと保育 メリー★ポピンズ志木ルーム(埼玉県志木市)
ヘルメットと蛍光ベストを身につけ説明する職員が印象的なメリー★ポピンズ志木ルーム。志木ルームが掲げる「ポジティブ・パワフル・超元気」なエネルギーの源である元気な体づくりの内容がプレゼンされました。また、絵画指導の資格を取得した「ゆうすけ先生」による、アートを通じ保育の幅を広げる活動も発表されました。
ーー限られたスペースでもできる工夫はたくさん グループ内で一番小さな保育室にこにこ保育室(埼玉県八潮市)
埼玉県八潮市にある埼玉回生病院の院内保育室、にこにこ保育室は、どろんこ会グループで一番規模が小さなワンルームの保育園。保育室の前にある老人施設のおじいちゃん、おばあちゃんとの触れ合いの様子や、散歩での一コマを紹介しました。「公園では遊具を使わずに芝滑りをしたり、隅に咲いているタンポポやツクシを見たり摘んだりして楽しんでいます」とのエピソードも。小さな場所でも工夫して「にんげん力」を育む取り組みをしています。
ーー「今すぐ使える!学べる手作りの仕掛けおもちゃ」発達支援つむぎ池尻ルーム(東京都世田谷区)
発達支援つむぎ池尻ルームは、手作りおもちゃの体験ができる展示に。展示されたおもちゃは、職員が発案し、療育で子どもたちが使っているものです。どのおもちゃも握る、掴むなどの手と目の動きや、相手と協力する仕掛けが施され、「保育園でも使いたい!」と注目を集める発表となりました。2人の力の入れ具合が難しいクレーンゲームは、落ちているカプセルを協力して拾うゲームです。紐を引っ張る手の力の入れ具合、しゃがんだ状態から立つ際の足腰の動き、2人のタイミングを目線や呼吸を通じて合わせるなど、さまざまな要素による刺激を楽しめるのが特徴です。カプセルの中の重さによって貰えるポイントを変えるなど、ゲーム性を高める工夫も施されていました。
ーー「四季折々の自然あそびと子ども達の表情が光る」一宮どろんこ保育園(千葉県長生郡一宮町)
どろんこ会グループで一番広い園庭を持つ一宮どろんこ保育園。保育園のシンボルでもある高さ3mと5mの2つの築山で遊ぶ子どもの様子を、躍動的な写真をたくさん使って紹介しました。「子どもの決定的瞬間を狙っています!」と話す職員の撮った写真は、どれも子どもの様子をいきいきと伝えています。また、どろんこ祭りで使っている泥も持ち込み、実際に手につけて感触を味わえる展示も好評でした。
ーー「ビジネススキルは保育業界でも活用可能。日々の保育の質向上を実現」駒沢どろんこ保育園(東京都世田谷区)
普段行っている園内研修の内容を発表した駒沢どろんこ保育園。全職員が一人ひとりの子どもに意識を持ち、生活における当たり前のことを深く考え共有していることをプレゼンしました。
職員たちが使用したマインドマップやヒートマップは物事やデータなどを可視化するツールとして、いずれもビジネスの世界ではよく利用されている手法です。しかし、保育業界ではあまりなじみがない手法のため、このような手法を活用し、日々の保育の質向上に繋げる取り組みには多くの来場者が驚きました。プレゼンを聞きに来た職員からは、「これから勉強したい内容でした」「見本にしたい」といった園内研修のレベルの高さを評価する声が多く聞かれました。
この他にも、朝霞どろんこ保育園(埼玉県朝霞市)の保護者と繋がる懇談会資料のまとめ方や、ペープサートを使って劇仕立てに畑での活動を紹介したP’sスマイル(神奈川県横浜市)、園舎に見立てた大きな資料を作った武蔵野どろんこ保育園(東京都武蔵野市)など、それぞれに工夫が凝らされ、見応えのある発表が並びました。
「取り組みが似ていてもやり方が違うので参考になった」「どこの園ももっと深く知りたくなった」「普段交流のないつむぎの子どもの遊びが知れてよかった」「真似したいものがたくさんありました」と職員から感想があり、良い刺激になったようです。
第3部は施設・エリアの垣根を越えてつながりを強くする場
発表終了後には懇親会の場が設けられ、緊張のとけた職員たちが食事を囲みながら笑顔で交流を楽しみました。今回は茨城、埼玉、東京、神奈川エリアの33施設が集まったこともあり、自分の所属するエリアを越えた出会いがありました。他の園・職種の職員とのつながりを作ることで、問題の解決や困った時に助け合えるタテ・ヨコ・ナナメの柔軟な関係を作る機会となったようです。
食事を楽しんだ後は豪華プレゼントが当たるビンゴ大会や、10年以上勤続している職員の功績を称える永年勤続表彰が行われ、終始和やかな雰囲気で会を終えました。
参加した職員からは、以下のような感想や次回への意気込みが聞かれました。
「高堀代表、安永理事長のメッセージは、毎回進化している一方で、根本にある考え方は私が入社した7年前と変わらないと再確認できました」
「発表では自園の取り組みについてもう一度振り返れました。職員一人ひとりが考えて内容を作れたのも良かったですね」
「私は保護者との連携を課題に感じていたのですが、各園の発表に解決のヒントが見つかりました。明日から実践してみようと思っています」
他園の取り組みから得た学びや発見を自園へ持ち帰り、明日からの保育への活用を。研修会後には職員たちのいきいきとした表情が多く見られ、実りの多さが感じられる研修となりました。
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