職人の仕事を知る経験。銭湯背景絵師の保育園ライブペインティング
2020.09.17
日本で3人しかいない銭湯背景絵師の1人であり、 現役最年長、背景画を描き続けて60年の丸山 清人氏が、読売ランド前どろんこ保育園内(神奈川県川崎市)の子育て支援センター「ちきんえっぐ」の壁に背景画を描いてくださいました。当日は、描いているところを子どもたちが見られるように、ライブペインティングで開催。開催に至った経緯や当日の様子をお伝えします。
保育園を地域全体で子どもたちを育てる場所にするために
なぜ、今回、子育て支援センター「ちきんえっぐ」の壁に背景画を描いていただけることになったのか、松久保園長にお話を聞きました。
「2020年4月に開園した読売ランド前どろんこ保育園では、子育て中の方はもちろん、近隣のご高齢の方や学生等、地域の全ての方々にいつでも自由に来ていただき、『地域全体で地域の子どもたち全員を育てていくような場所にしたい』というのが、私たち保育園側と地主様との共通の願いです。そのために1階は、地域子育て支援のスペースとしてテーブルやソファ、玩具やフリードリンク、薪ストーブも設置し、気軽に来ていただけるカフェになっています。地主様のはからいで、そのカフェに、開園と同時に幅3メートルもある巨大なキャンパスが設置されました」と松久保園長。
そして、地主様と銭湯絵師の丸山さんは数年来の親交があり、今回の企画に至ったそうです。
職人の仕事を知る。銭湯背景絵ライブペインティング
2020年7月18日、ついに白いキャンパスが生まれ変わる日がやってきました。土曜日だったため、登園していた園児は10名ほど。子どもたちは丸山さんが描いていた5時間の間、ごはんを食べているときも、お昼寝後も「ふじさん、できたかな?」と何度も行き来し、どんどん出来上がる絵に目を丸くしていました。
空や木々、水面など細かい部分に筆を入れるたびに、絵がどんどん浮き上がってきました。
子どもたちは絵だけでなく、丸山さんの筆の動きや、絵具を混ぜる作業に興味津々。丸山さんの背中にぴったりくっついて作業をじっと見ている場面もありました。
「このような本物の職人の仕事に触れる貴重な体験は、人生そうあるものではありません。本来であれば、保護者や地域の方々にも公開して、たくさんの子どもたちに丸山さんが描いている姿を実際に見せることが私たちと地主様の夢でしたが、新型コロナウイルス感染予防のため今回は断念し、登園児と関係者だけの参加となりました」と松久保園長。
今回は、新型コロナウイルス感染防止のため、限られた人数のみでのライブペインティングでしたが、丸山さんは数年後、この絵を描き替えに来てくださるとお約束してくださったそうです。次は満開の桜に囲まれた富士山にしようと話しているとのこと。
松久保園長は「今回、85歳の丸山さんには素敵な絵だけではなく、たくさんの生きるパワーをいただきました。1日も早く通常の生活に戻り、地域子育て支援室『ちきんえっぐ』にたくさんの方々が集い、丸山さんの描いた富士山を見ながら、子育てについて語り合える日が来ることを心から願っています」と語っていました。
貴重な体験の機会を提供してくださった地主様、銭湯絵師の丸山さんに心から感謝申し上げます。次回、満開の桜の絵を描いてくださる時は、たくさんの子どもたち、地域の方にも見ていただきたいと思います。
※当日は、関係者はマスクやフェイスシールドを着用して参加するなど、新型コロナウイルス感染防止対策を行った上で開催しています。
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