プロによるどろんこ会の安全対策。メリー★ポピンズ 稲城ルームの取り組み
2021.04.08
メリー★ポピンズ 稲城ルーム(東京都稲城市)では、2021年2月24日に多摩中央警察署の指導の下、交通安全教室を行いました。本取り組みには、どろんこ会グループ全体の安全についてサポートを依頼している合同会社ユニバーサル・スマイル・リゾート(以下、USR)にもご協力していただきました。
警察官の直接指導に園児も保育士も気を引き締める
朝9時。園入口前に子どもたちが集合。まずは警察官が信号機の見方、青信号だった場合の横断の仕方について子どもたちにレクチャーしました。
青信号が点滅している場合には止まること。もうすぐ渡り終わるときには、いきなり走らず、急ぎめに渡り終えること、渡り始めであれば戻ることを学びました。
警察官からは「今日は勉強であり、遊びで外に出るわけではありませんよ」との説明があり、子どもたちは真剣な表情で耳を傾けていました。
まずは、園外すぐにある信号のない道路を渡ります。二人一組になって「右、左、右」を確認、安全が確認できたら手を挙げて渡ります。
続いては、信号のある交差点の横断にチャレンジします。1回目で少し慣れてきた子どもたちも、警察官からの「自分で道を歩いているとき、右見て、左見て、と誰も教えてくれません。この先、みんな自分でできるかな?」との言葉かけに、自然と左右を確認する様子も見られました。
最後は、再び信号のない交差点をひとりで渡りました。ここではできるだけ警察官、職員は見守りに徹し、大人からの言葉かけなしでしっかり渡れる子どもも見られました。
園に戻ってきたあとは、あらためて警察官からの話を聞きました。警察官たちはカモの母子の絵が並ぶ紙を見せ、子どもたちに「道路に飛び出すと、車にはねとばされる『カモ』しれない。いろんな『カモ』がいます。だから、みんなも心の中に『カモ』を飼って、危ないことから身を守るように」と子どもたちにも分かりやすい言葉で伝えてくれました。
特に、こめ組は春から小学生となり、子どもだけで道を歩くようになります。今回習った道路の渡り方だけではなく、「こうしたら、こうなる『カモ』しれない」と思って行動する大切さを学べたことは、子どもが自ら自分を守る行動につなげられることでしょう。
USRに聞く「みんなが笑顔でいられるよう、安心安全を守る取り組み」
ここからはUSRの川原さんと福田さん、稲城ルームの本澤園長へのインタビューをお送りします。
――取り組みを終えた今の感想をお聞かせください。
川原さん(以下、川原):訓練は1度行えばいいわけではなく、機会をとらえて繰り返し行うことが大切です。子どもたちはまだ自分で自分を守る術を身につけていません。子どもの命を守るのは先生です。まずは先生方がそのことを理解してください。園側には、先生方がきちんと仕事ができるよう、引き続き環境を整えていただきたいですね。
本澤園長(以下、本澤):非常にいい機会をいただけました。職員だけで取り組まず、警察官に指導に来ていただくことで、子どもも職員も気が引き締まる部分があったと思います。春に1年生になる子どもたちにとっても、印象に残る体験になったのではないでしょうか。
また、今後どのようにこの活動を継続していくのかにかかっているともとらえています。今回は、4月に入社する新人職員にも現場研修として加わってもらいました。稲城ルームには若い職員が多く、この取り組みを機に、あらためて子どもの命に関わる場面にしっかり取り組んでいきたいです。
福田さん(以下、福田):1度言えばスムーズに理解できる子もいれば、そうでない子もいます。集団生活になじむことが難しい子もいます。個々の行動に注意を払いながら見守りをしていくことが大切だと考えています。
――USRはどういった会社なのか、またUSRがどろんこ会グループをサポートするに至った経緯を教えてください。
川原:安心安全をメインテーマにしている会社です。「ユニバーサル=全ての」、「スマイル=安全」、「リゾート=安心」、つまり、「全てに安心安全が守られているから、みんな笑顔でいられる」という想いが社名に込められています。
どろんこ会グループと関わることになったのは、高堀代表と私の共通の友人による紹介がきっかけで、5年前ほどから安全面に関するサポートをしています。
どろんこ保育園を初めて訪れたとき、木登りをしている子どもを見て非常に驚きました。しかし、一方的に危険から遠ざけていては、子どもの危険に対する察知力や対応力が育たないという説明を聞いて、感銘を受けました。あらゆる危険から守ることを安全ととらえる方もいるでしょうが、安全とは、何もしないことではないんです。「転ぶ危険を察知し、これを避ける能力を身につけること」こそが安全への道筋だと思っています。
――お二人とも元は警察官で、川原さんは国際事件のアドバイザーを務められたご経験もあると伺っています。
川原:ええ、そうなんです。インドネシアで、アメリカやオーストラリアの警察OBと共に現地警察官にアドバイスをしながら活動しました。現地の治安に寄与する、思い入れのある仕事でしたね。こうした警察官時代の経験を活かして世の中の安全を守るため、何らかの役に立てれば幸せだと考えUSRを立ち上げたんです。社の理念は「子どもは宝、老人は尊敬、若者は憧れ」です。子どもの安全に関係する仕事の他、少年野球の支援や企業のセキュリティ対策、高齢者施設への支援など、幅広い年代に対する活動を行っています。
――これまで、稲城ルームではUSRにどういったアドバイスをいただいてきたのでしょうか。
本澤:福田さんとは月1回程度お会いして、散歩の際に安全面を見ていただいてきました。また、コロナ禍でお会いすることが難しくなってからは、電話でご相談に乗っていただいています。今回の取り組みも、交通安全指導についてお話したら、コーディネーターとして警察につないでいただいたことで実現したものです。
福田:昨年度も稲城ルームでは交通安全指導を行っていますが、警察に来てもらったのは初めてでした。
本澤:警察の方に来ていただけるのかどうかも把握できていなかったため、ご相談後スムーズにつないでいただき助かりました。
――どろんこ会グループの安全への取り組みに対して、メッセージをお願いします。
川原:保育園の役割は、朝にお預かりした子どもたちに、新たな経験の機会を提供しながら、同じ元気な状態で保護者の方に夕方お返しすることです。思いもよらない行動をとることもある子どもたちに対し、見守る先生方は本当に一生懸命で、その努力には傍で見ていて本当に頭が下がる思いです。
安全に関して、一つだけ具体的なアドバイスをお伝えするとすれば、一瞬でも自分の目を子どもたちから離したら、目を戻したときに必ず子どもに変化がないかを意識して見るくせをつけることです。信号に目を向けたあとや時間を確認したあとなど、どうしても子どもたちから一瞬目を離さなければならないシーンはあります。その都度、同僚の先生と連絡し合って、子どもたちに変化がないか、全員そろっているかを確認しましょう。その積み重ねが、重大な事故や見失いの防止につながります。
安全は各々が自分の役割を確実に果たし、みんなで積み上げていくものです。私たちも微力ですが明日を担う子どもたちの成長に関われることに感謝しています。
関連リンク
「子育て」で未来を変えませんか?
私たちは子どもたちの未来のために社会、世界を変えたいと思っています。私たちと一緒に働きませんか。
保育士、看護師、栄養士・調理師、発達支援・療育スタッフなど募集しています。新卒・中途問わず、想いをお持ちの方のお問合せ・ご応募お待ちしています。