障害児支援の在り方を変える 未来の保育・福祉を担う学生に熱いメッセージ

2021.07.29

#メディア・講演

講演情報

6月、安永理事長が琉球リハビリテーション学院(沖縄県国頭郡)の学生に向けて講演を行いました。

琉球リハビリテーション学院は、作業療法学科や理学療法学科のほか、子どもリハビリテーション学科や海洋リハビリテーションコースなどを設け、沖縄の福祉を支える人材の輩出に尽力しています。同じく沖縄本島中部に位置する前原どろんこ保育園と石川どろんこ保育園(いずれも沖縄県うるま市)と距離も近いことから、交流を深めています。

安永理事長が選んだテーマは「意欲的に生きる」 どろんこ会グループの考えるインクルーシブ保育について熱く語りました。

安永理事長と琉球リハビリテーション学院玉城総学院長
講演後の安永理事長。琉球リハビリテーション学院の玉城義一学院長(右)とスタッフと共に

障害の有無に関係なく、意欲的に生きること

安永理事長は冒頭「今、私たちが運営している児童発達支援施設では、これまでの概念にとらわれない新しいスタイルの支援を行っています。子育て業界は、昔からのやり方の引き継ぎを重ねてきた業界なので、現場が変わりづらい側面があります。でも、これからは現場に立つ若い人がこの業界を変えていかなければならないのは間違いないと思っています」と、福祉を学ぶ若者たちに呼びかけました。

「私が23年間保育士を続けてきて分かったのは、子どもの幸せな人生は、障害の有無に関係なく、意欲的に生きることにあるということ。これができているかどうかで人生が全く変わると思います」と言い切ります。

また、そこにかかわる大人の重要性も指摘しました。「例えば、自閉症スペクトラム障害の傾向や発達の遅れは、だいたい3歳ごろから指摘されることが多くなります。しかし、ここですべてを決めて、特別扱いをして育ててしまうことがいかに罪なことか。私が伝えたいのは、障害児は特別なのではなく、発達のペースが違うだけということ。同じように感情、意欲、生きる力をもっています」

沖縄で講演する安永理事長
学生に向け熱く語る安永理事長

ここで、どろんこ会グループが運営する児童発達支援事業所での子どもたちの日ごろの姿を写真で見せながら、障害の有無に関係なく共に雑巾掛けや畑仕事をする様子や、子ども同士でコミュニケーションをとる姿など、インクルーシブ保育の現場でなければ見られないような瞬間を、安永理事長ならではの言葉で伝えました。

また、作業療法士を目指す学生に「成人を対象とした作業療法に携わる方も多いと思います。大人の場合は失った身体機能を回復させるということに主眼を置くと思いますが、子どもの場合は失ったものではなく、未発達の機能を引き出すということが作業療法士の大きな役割となってきます。なので、私たちの仕事は子どもが今、何ができて何ができないのかを把握する力をもち、できてほしいことを引き出すために、その子が自らかかわっていこうとするような環境をつくること、これが一番大事です」ということも話しました。

講演を聞く学生たち
講演に聞き入る学生たち

「昭和、平成の時代は、長らく障害者を守ってあげようという福祉をやってきました。これからはそうではなく、意欲をもって自分で生きていくために必要な経験が積めるように支援することこそ、私たちがやっていかなければならない福祉です。これからの障害児支援の在り方は変わらなければなりません」と力強いメッセージを送りました。

どろんこ会グループは、子育て業界の価値変革を目指しています。前例を踏襲し続け、変わろうとしない現場を、本気で変えたいと願っています。そのためにも保育・児童発達支援にかかわる、かかわりたい、子育てにかかわるすべての方々に、私たちが現場で実践してきたことをシェアすべく、随時こういった講演を開催してまいります。各種学校・大学での講演についてご要望がございましたらぜひお問い合わせフォームよりご連絡ください。

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