保育現場と経営陣の新しいコミュニケーション モーニングオンラインサロン
2021.08.12
全国約140箇所で認可保育園、事業所内保育所、児童発達支援センター、子育て支援施設を運営するどろんこ会グループ。子どもたちと日々向き合い保育に携わる現場と、法人としての様々な機能をもつ本部とが、同じ理念をもって運営していくには、日ごろからのコミュニケーションは欠かせません。
2020年に新型コロナウイルスが発生して以降、現場と本部をつなぐあらゆる会議はすべてオンラインとなりました。オンラインのおかげで物理的な移動がなくなり、時間を短縮できるようになったメリットがある一方、顔を合わせたときのちょっとしたコミュニケーションは少なくなりました。
安永理事長、高堀代表はこれまでもできる限り現場を回り、施設長だけでなくスタッフとの会話の時間を大切にしてきました。新型コロナウイルスにより移動の制限がかかる中、少しでも現場との時間をとるため、また、現場の課題をいち早く解決し、現場からの新しい提案を素早く検討していくためにも、現場と本部のより密なコミュニケーションは必要不可欠です。そこで、本部の経営層と現場の施設長が直接対話をする「モーニングオンラインサロン」を新たに始めました。
日常の困りごとから理想の保育園まで 日ごろの想いを語り合う場
モーニングオンラインサロンには、現場の施設長が4人から8人、本部は安永理事長、高堀代表をはじめ、部門長も2、3人参加します。朝の1時間、率直かつ気軽に話せるよう、施設長には本部経営層への質問や提案、施設運営で困っていることから、最近はまっているものなどについて、事前にアンケートを取りました。
質問は、施設の設備の修繕についてやごみの収集といった日常的なものから、仕事と家庭の両立についてや、人生で大事にしていることなど、多岐にわたりました。
埼玉県朝霞市周辺の施設が参加した会は、安永理事長と高堀代表にとっても始まりの地ということもあってか、非常に和やかな雰囲気。年数を重ねるごとに施設に物が増えていく問題について共感しあったり、修繕に関する要望に対しても何ができるか、その場で即回答を得られることも、このサロンのメリットです。
そのほか、外国にルーツをもつ家庭とのコミュニケーションの取り方についての悩みも聞かれました。安永理事長は幼少期をギリシャで過ごし、現地の保育園に通った経験を語り、「私も言葉が分からないまま現地の保育園に通いましたが、1年くらいで理解できるようになりました。例えばこれがご飯だよ、お花の名前を教えてあげたり、子どもにたくさん話しかけてあげてください」と具体的なアドバイスも。
千葉県船橋市周辺の施設が参加した会では、「安永理事長が考える究極の理想の保育園とは」といった大きなテーマの質問も出ました。
それに対し安永理事長は「環境が恵まれているからよい保育ができるということではなく、駅近の園でもよい保育をしているところもあります。ハード面よりも、先生が子どものことをどれだけ考えて、必要だと思うことをできているかどうかが大事だと思っています。散歩ひとつとっても、大人の視点で行動してしまうか、子どもの視点に立って丁寧な保育ができているかどうか、それを施設長だけでなく皆でできている園はすごいなと思います」と率直に答え、施設長もまた考えを述べあい、さらには、「ニュージーランドにどろんこ保育園をつくりたいね」といった壮大な夢まで飛び出しました。こういう場だからこそできる広がりのあるディスカッションとなりました。
何気ない雑談でつながりを感じる場
最近はまっているものは?という話題からは、登山が趣味の施設長とはどの山に行くかで盛り上がりました。そのほかスキューバダイビングのお勧めスポットから韓流ドラマやオンラインゲーム、幼少期のエピソードまで幅広いトピックがあり、参加した施設長からは本部の役員や部門長だけでなく、他施設の施設長の知らなかった面を知ることができてよかったという声も聞かれました。また、事後アンケートでは、悩みを共有できたこと、経営層に直接話を聞いてもらえたこと、仕事ではない話題でリフレッシュできたことなど、参加した施設長にとって明日への活力となるような有意義な時間になったことが読み取れました。
グループの前進のため縦横無尽に活動している経営陣も、このモーニングオンラインサロンをかけがえのない時間として、毎回意欲的に参加しています。また、会を重ねるごとに施設長とのコミュニケーションの重要性を実感し、今後も継続していく予定です。
昨年度の全体研修で安永理事長が語った「本部は現場への、現場は本部への敬意と感謝の気持ちを忘れずに」 この言葉を忘れることなく、どろんこ会グループのスタッフは、子どもたちにとって本当によい保育をするために、これからも現場と本部一体となって取り組みます。