地域の歴史を受け継ぎ、後世に伝える南魚沼どろんこ保育園
2021.10.07
南魚沼どろんこ保育園(新潟県南魚沼市)が開園したのは2017年4月。まだ5年目の保育園ではありますが、実は室町時代からの歴史を受け継ぐ保育園なのです。今回はその歴史をご紹介します。
室町時代のお城跡に建つ保育園、園庭には樹齢200年を超える大木
南魚沼どろんこ保育園が建つ場所は、室町時代に関東管領上杉家の代官となった尻高(しったか)氏が木六城を構えた土地でした。戦国時代、関東管領の上杉家が衰退すると共に尻高氏も衰退したそうです。その後、様々な時代が流れ、明治7年(1874年)に大木六小学校がこの地に開校。創立100年を超える小学校でしたが昭和53年(1978年)に閉校となり、昭和56年(1981年)に公立の大木六保育園が開設されました。その大木六保育園の民営化が決まり、歴史を引き継いだのが南魚沼どろんこ保育園です。園庭には、地域のシンボルとなっている樹齢200年を超える大きな欅(けやき)の木があり、真夏は園庭で遊ぶ子どもたちのために日陰を作ってくれます。この地で生まれ育つ子どもたちを、ずっと見守ってくれている大木です。
地域と共に歴史や伝統、文化を守り、後世に伝えていく保育園
近隣には、戦国時代に上杉景勝が難を逃れて隠れたという穴が存在する愛宕山があります。この「愛宕山に登ろう会」の方々から、後世にこの地の歴史を伝えたいとのご相談をいただき、2021年7月、園の駐車場にこの地が木六城跡であることを伝える看板が設置されました。
南魚沼どろんこ保育園の若杉園長は、「『愛宕山に登ろう会』の皆様の案内で、南魚沼どろんこ保育園の子どもたちは愛宕山に登山したことがあります。木六城の菩提寺であったとされる龍泉院は、子どもたちが散歩の時によく訪問させていただいています。日々、地域の方々と交流する中で、この地の壮大な歴史を感じ、その歴史を受け継いで保育園を運営できることに感謝しています」と話します。
2018年には、約20年ぶりに地元の木六神社で盆踊りが復活しました。南魚沼市の塩沢地域は奈良時代からの織物産地として知られていることもあり、盆踊りの名前「糸と糸盆踊り」にも伝統文化を大事にしたいという想いが込められています。南魚沼どろんこ保育園は盆踊りや太鼓の練習の場として地域の方に保育室を開放し、当日は南魚沼どろんこ保育園のスタッフや子どもたちだけでなく、本部スタッフも参加して盆踊りを盛り上げました。(※残念ながら、コロナ禍のため、2020年と2021年度は中止になりました。)
15世紀から続く歴史ある地を受け継いだ重みを感じながら、南魚沼どろんこ保育園は、地域の方と共にこの地の歴史や伝統、文化を後世の子どもたちに伝えています。