入社後半年を振り返る 新卒保育士、栄養士、療育スタッフのフォローアップ研修を開催

2021.10.14

#イベント

研修

どろんこ会グループには、新卒で入社したスタッフを丁寧にフォローする体制が整っています。学生から新社会人になり、保育士、栄養士、療育スタッフとして現場で働くことは、希望に満ちている一方で不安もあります。実際に働く施設の上司、先輩のフォローはもちろんですが、新卒入社スタッフと入社前から接点をもち、どろんこ会グループを選んだ理由もよく知る人事採用部のスタッフが、直接電話をかけたりアンケートを取って個々に対応するなど、親身になってコミュニケーションを図っています。

さらに、入社後半年を過ぎたころに実施しているのがフォローアップ研修です。今年度は8月から9月にかけて、5回に分けてオンラインで実施しました。

オンラインで開催したフォローアップ研修
オンラインで研修に参加した新卒入社スタッフたち

保育におけるコミュニケーションの大切さに気づく場

このフォローアップ研修は、専門的な知識やスキルを学ぶものではありません。社会人となり、さまざまなことを学び前に進み続けてきた半年を、一度立ち止まって振り返ってみる。そんな時間となります。

研修を担当する人事採用部の川村さんはこのように話します。「新卒入社スタッフの陥りがちな悩みは、職業・職種問わず、多くは自己内面の問題で一致しています。例えば緊張やストレスとの向き合い方であったり、理想と現実のギャップであったり、職場内のコミュニケーションで悩むケースが多いです。特に保育は一人ひとりの子どもと向き合うがゆえ、一つの答えがない世界です。だからこそ、いろいろな人とコミュニケ―ションを取って、ディスカッションをして、自分たちでその時々に応じた答えを導き出していかないと前に進めない職業だと感じています。そのため、この研修ではコミュニケーションの大切さや自分だけの視点ではなく他者の視点を入れることで広がる気づきの場になるようにしたいと考えています」

笑顔で安心を届ける川村さん
新卒入社スタッフを安心させる人事採用部の川村さんの笑顔

同期と共感し合い、モチベーションアップ

では、2時間の研修では実際にどのようなことを行っているのでしょうか。

川村さんはまず、イソップ童話の『きこりと旅人の話』の読み聞かせを始めました。あわただしい日常から、研修に入るための心の準備ができるようにするためです。この話は心理テクニックや人材育成の場面で用いられるもので、入社後、ひたすら走り続けてきたスタッフに向けて、ここまでの歩みを整理することで次の成長につなげてもらいたいというメッセージも込められています。

イソップ童話から始まる研修
メッセージ性のあるイソップ童話から研修開始

今年度の新卒入社スタッフは、新型コロナウイルスの影響で内定式も懇親会もすべてオンライン。一度も直接顔を合わせることなく、配属が決まりました。例年であれば、内定式や懇親会、合宿研修などで同期同士のつながりを深めることができますが、今年度は難しい状況でした。そこで川村さんは研修内でのグループディスカッションの回数を例年よりも増やし、グループの人数を3、4人に絞ることで、参加者全員がより本音で話しやすいような環境作りに努めました。

ディスカッションでは、入社前から現在までの自分のモチベーションの浮き沈みを振り返ったり、この半年でできるようになったことや、やりがいを感じていることを話し合いました

例えば、子どもに「給食、おいしかった!」と言われた時や、自分が抱っこすると泣きやんでくれる子どもがいるといった喜びを共有し、うなずき合う様子も見られ、硬かった表情も徐々にほぐれてきた印象でした。

同期ならではの話も
徐々に打ち解けていろいろ話すことができました

また、同期だからこそ聞いてみたい、こんなときどうする? ということを自由に相談しあう時間も作りました。「休日の過ごし方」「施設で動物を飼っているかどうか」「どんな制作をしているか」「子どもがけんかした時の対応はどうしているか」「イヤイヤ期の子どもとどのように関わっているか」など、グループによってさまざまな話題が出ました。共感し合ったり、分かる範囲でアドバイスをし合ったり、同じ年齢、同じ立場同士で話すことにより、悩んでいたのは自分だけではないという安心を実感できる場にもなったようです。

参加者からは「自分の職場しか見えていませんでしたが、園庭がなくても、ヤギがいなくても、楽しく働くことができている同期に刺激を受けました」「現状ではできないと思っていたことでも、違う方法があるという気づきを得られ、自分の施設でも試してみたいと思いました」といった感想が寄せられました。

視野を広げ、保育士、栄養士、療育スタッフとしてさらなる成長を

研修内では安永理事長と高堀代表からのメッセージも伝えました。

高堀代表は「まずは子どもと一生懸命遊び、大きな声であいさつする。日々一生懸命取り組むだけでいい。人と同じようにできないなどと気にしなくて大丈夫です。今、そこで経験していることが必ず皆さんの力になる。保育の仕事は、子どもたちの成長と人格形成を担う、社会的な意義がとても大きい仕事です。こんなに意義を感じられる仕事は他になかなかないと思います。共に頑張りましょう」と力強く語りかけました。

また、安永理事長も「私も保育士1年目は春夏秋冬を経験するだけでいっぱいでした。でも、初めての卒園児を送り出した時、その子が20歳になった時の未来を考えるようになりました。この仕事が子どもたちに人生の向き合い方を教えるという重責に変わりました。皆さんがこの先そんな日を迎えて、保育のことを一緒に語り合える日を楽しみにしています」と優しく呼びかけました。

熱く語りかけた代表2人
新卒入社スタッフに熱いメッセージを送った高堀代表(左)と安永理事長

川村さんは最後、高い壁を前に立ち止まっている人物のイラストを映し出し、その意図をこう語りました。

「悩んだ時、壁にぶつかった時、それは自分が大きくなるための機会でもあります。乗り越え方が分からない時、すぐに答えが出ない時こそ、そこから逃げ出さずに一度立ち止まってもがいてみてほしいのです。自分だけでは解決できないことであれば、周りに相談できる人がたくさんいるということも、この研修を通じて伝わればと思っています。また、新卒で社会に出たばかりのスタッフは、幅広い年齢層や自分と異なる価値観、生活環境の人の意見や考えを取り入れる機会がこれまであまりなかったと思います。でも先達と関わることで視野も広がり、自分の成長に必ずつながります。同期同士の横のつながりはもちろん、縦のつながりも持ちつつ、力を発揮できる場所を作っていってもらいたいと願っています」

最後のメッセージに聞き入る新卒職員
最後のメッセージに真剣に聞き入る参加者たち

どろんこ会グループの子育ての特徴に「背中で教える」というものがあります。それは人材育成においても同じことと考えます。先輩から後輩、そして同期同士も背中を見せ合いながら、共に成長していく。そこに本部と現場が常に支え合い、頼り合う姿があって企業としても成長していく。フォローアップ研修は、そんなどろんこパーソンを育てるための大事な時間といえるでしょう。

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