プライベートも本気で子育て 男性保育士の育児休業取得をサポート
2021.10.21
どろんこ会グループでは2000人超のスタッフの約9割が女性ということもあり、以前から産前産後・育児休業のスムーズな取得の推進や、時短勤務制度の充実を図り、スタッフの出産・育児をサポートしてきました。そのおかげもあってか、育児休業取得者は毎年100人以上、また年間150人以上のスタッフが短時間勤務や時間固定勤務で育児との両立を図っています。
一方、どろんこ会グループでは男性保育士も活躍しています。グループ内の男性保育士の比率は約12%と、保育業界においては高い数値を誇っています。
(厚生労働省が令和2年に開催した第5回保育の現場・職業の魅力向上検討会の資料によると、男性保育士の構成割合は約4%。参考:保育士の現状と主な取組 )2021年6月に育児・介護休業法が改正され、育児休業を取得しやすい雇用環境の整備や、男性の育児休業取得促進のための枠組みの創設などが定められました。そのタイミングで、メリー★ポピンズ 南蒲田ルーム(東京都大田区)で施設長を務める石原さんが4週間の育児休業を取得したとの連絡を受け、「男性保育士の育児休業」についてインタビューしました。
育休を経て保護者の気持ちにさらに寄り添う保育を
2013年に入社した石原さんは、メリー★ポピンズ 豊洲ルーム(東京都江東区)で6年働いたのち南蒲田ルームに異動し、施設長となって3年目を迎えました。
第一子の出産に伴い、昨年10月に1回目の育児休業を取得し、今年6月の取得は2回目となります(編注:現行法では出産後8週間以内に育児休業を取得した場合、再度の取得が可能)。
――まず、なぜ育児休業を取得しようと思ったのでしょうか。
「妻の負担を軽くしたいというのはもちろんのこと、仕事柄、子育てにかかわっているので、自分の子どもに対する思いも強かったというのがあります。また、保育園では生後2カ月以降のお子様を預かっていますが、2カ月以前の子どもを見る機会がなかなかないということもあり、その期間の母子の姿を肌で感じることで、今後の自身の仕事にも生かせるのではとも考えました。また、父親の育児参加は、母親の幸福度だけでなく、子どもの自己肯定感、やり抜く力、言語能力などにメリットがあるという研究結果も知っていたので、メリットがあるなら取得しない理由はないとも思っていました」
――メリー★ポピンズ 南蒲田ルームを利用されている保護者の方の反応はいかがでしたか。
「あるお母様からは『夫に話してみたら仕事で無理って言われてしまいました。先生はすごいですね』という言葉をいただきました。そのほか『頑張ってください』『楽しんでください』と声をかけていただき、ポジティブに受け止めていただいたと感じています」
――では、共に働くスタッフの方はいかがでしたか。
「とても気持ちよく送り出してくれました。どろんこ会グループ自体に『プライベートも本気で』という雰囲気があり、上司からも『家庭のことを一番にしてください』と言ってもらい、とても取得しやすい環境でした」
――取得にあたり準備したことは。
「育児休暇の制度をきちんと調べ、どの時期に取得すべきか妻と話し合いました。2回目については、園でイベントが多くなる年末年始や、子どもたちが入れ替わり、落ち着かない年度初めを避けるため6月にしました。自分が不在中に起こりうる業務内容をすべて洗い出し、期日や方法などの引き継ぎの時間を取るようにしました。シフト面でも本部のバックアップがあり、信頼関係をきちんと築けていたことがよかったと思います」
――育児休暇に入ったあとの家庭での育児はいかがでしたか。
「家族とみっちり過ごして、子どもに対する思いを妻と共有できたことはよかったです。また、夜泣きの大変さや2、3時間おきの授乳、出産後に体調が戻らない中で子育てと家事の両方をこなさなければならないという大変さを目の当たりにしたことも大きかったです。これまで保護者の方には保育士という専門職の立場から知識を伝えることで支援をするという意識が強かったのですが、もっと保護者の方の気持ちに寄り添っていきたいという思いを新たにしました」
――復職後、ご自身に変化はありましたか。
「保護者の方がお迎えにいらした際には、少しでもほっとできるような対応をすることで力になりたいと思うようになりました。また、メリー★ポピンズ 南蒲田ルームは0歳児から2歳児までをお預かりしているので、自分の子どもと同じ月齢の子どもも多く通っています。自分の事例を話したりすることで保護者の方に共感することも大事にしています」
さらに石原さんは保育園の役割についてもあらためて考えるようになったといいます。
「かつては祖父母だけでなく地域の方々など、多くの人が関わって子育てをしていましたが、現在はそれが母親だけになってしまっています。その現状を変えていくためにも、父親が育児休業を取得して、育児に参画することから始めるのは大事と思います。そして保育園がもっと地域に出ていき、保護者と地域とのつなぎ役になったり、コミュニティづくりの要になったりすることも保育園の大事な役割になるのではということを考えるようになりました」
――今後、男性保育士として育児休業を取得する方へのアドバイスはありますか。
「私も今回、育休は学びのひとつと考え、世間的にまだまだ男性が育児休業を取得していない中で経験してみようというチャレンジでもありました。そういった姿勢をどろんこ会グループは応援してくれました。今後育児休業を取得する方には、取得前の段取りや準備について気軽にお話しできると思います。また、様々な家庭があるとは思いますが、保育士としての知識やスキルはあまり前面に押し出さず、パートナーの産後のメンタルを気遣いながら、共に話し合って子育てをしていくことの大切さも伝えたいです」
育児休業を経て、保育や保護者支援の視野が広がった石原さん。今後はこういった具体的な経験を生かし、おむつ替えやミルクの作り方なども含め、父親の子育てスキルを向上できるような講座や機会を設けたいといった構想も話してくださいました。
子育てに真正面から向き合う会社だからこそ、これからもスタッフの育児を応援する環境を整えてまいります。
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