本物を経験する機会を大切に メリー★ポピンズ 桶川ルームで音楽会を開催
2021.11.25
メリー★ポピンズ 桶川ルーム(埼玉県桶川市。以下、桶川ルーム)で素敵な音楽会が開かれました。桶川ルームがあるのは、JR高崎線桶川駅直結の商業施設「おけがわマイン(パトリア桶川)」の4階です。どろんこ会グループの中で、駅近の保育園としては唯一、発達支援つむぎを併設しています。
音楽経験豊富な保育園と発達支援のスタッフが集結
音楽会開催のきっかけを施設長の千葉さんに伺いました。
「偶然にもピアノだけでなく、ホルン、フルート、ビオラ、バイオリン、クラリネットを演奏できるスタッフがそろっていたのです。音楽は言葉も関係なく、誰でも親しめるもの。子どもたちにCDデッキから流れる音ではなく、生の音を聴かせたい、本物の体験をできる環境にあるのなら、それを生かさない手はないと思いました」と、楽しそうに語ります。
バイオリンを弾くのは発達支援つむぎ 桶川ルームで社会福祉士として働く丸谷さん、同じく言語聴覚士として活躍する関根さんがビオラを担当しました。そして、ホルンは栄養士として日々子どもたちにおいしい給食を作っている時光さん、そして、保育士の國谷さんはフルートを演奏しました。
千葉さんは「今年度はグループ内唯一の駅近園の併設施設として、発達支援つむぎとの連携強化に取り組んでいます。今回の音楽会も、つむぎと保育園のスタッフ、保育士だけでなく栄養士も加わり、大人も職種も超えて混じり合った活動になりました」と話します。
子どもたちに本物の楽器、音に触れる体験機会を創る
音楽会では、こめ組(5歳児クラス)の子どもたちもピアニカの合奏に挑戦しました。どろんこ会グループでは就学前教育として3~5歳児にはうた、合奏、ピアニカなどの音楽指導を取り入れています。桶川ルームでは音楽に造詣の深いスタッフがいることもあり、乳児期から手作りの太鼓などの打楽器でリズム感を養うような活動も取り入れているといいます。
「音楽は子どもにとって気持ちを落ち着かせたり、集中力を高めたりするのに有効だと感じます」と千葉さん。また、音楽指導を担当する龍見さんは、音楽教室での長年の講師経験から「音楽には、音の強さや弱さ、柔らかさ、元気さなどさまざまな表現や音色があります。それを小さいころから聴いていると、いろいろなニュアンスを聞き分けられる耳になっていきます。よい耳が育つと、自然と人の話にも耳を傾けることにつながっていくのです」と話します。
龍見さんがショパンのピアノ曲のイントロを弾くと、その美しさに子どもたちは一斉に注目。いよいよ音楽会の始まりです。この日は、発達支援つむぎ 桶川ルームに通う子どもたちも活動に加わりました。「最初は緊張しているように見られましたが、聴いたことのある曲が流れてくると、笑顔が見られるようになりました」と言います。また、地域子育て支援カフェちきんえっぐに来ていたご家庭も参加してくださり、音楽を通してさまざまな交流が生まれました。
まずは楽器の紹介からです。音の違いや、楽器の大きさの違いなどについて伝えます。そして『となりのトトロ』から『鬼滅の刃』まで、子どもたちに大人気の曲を次々に演奏しました。
こめ組の子どもたちはピアニカで『きらきら星』を披露しました。「約4カ月間の練習ではピアノを弾ける子が弾けない子に教えてあげる姿も見られました。同じきらきら星でも、伴奏によって聞こえ方ががらりと変わります。子どもたちも素敵なバックミュージックに合わせることができたという達成感や高揚感があったからこそ、熱心な自主練習にもつながったのだと思います」と千葉さんは振り返ります。
最後は実際に楽器に触れたり、音を出してみたりして、本物を体験する貴重な機会となりました。
終了後、子どもたちからは「先生が発表して新鮮だった」「皆の前で緊張したけど、楽しかった。ピアニカの練習をがんばってよかった」など、そんな感想が聞かれました。
日ごろなかなか触れることのない楽器の本物の音を体験した子どもたち。このように、どろんこ会グループの各施設は、スタッフの得意を生かしつつ、10よりも100の経験の機会を創り出す工夫を重ねています。