東京から子育てを変える どろんこ会本部スタッフが「東京都子供・子育て会議」の都民委員に就任

2022.05.19

#保育

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どろんこ会グループの保育は現場スタッフはもちろんのこと、本部スタッフのサポートもあり成り立っています。本部スタッフには異業種からの転職も多く、それまでの多様なキャリアを生かしながら、子育てに思いをもって職務にあたっています。

このたび、どろんこ会グループ本部開発部課長を務める志村さんが「東京都子供・子育て会議」都民委員の一般公募枠2名のうち1名に選ばれたと聞き、応募の背景や今後の活動、仕事との関わりについてインタビューしました。

開発部の志村さん
都民委員選出の発令通知書を手にする開発部の志村さん

都民として子育てに声を上げていく

「東京都子供・子育て会議」とは、子育てに関わるさまざまな立場の人が、子育て支援施策の計画の策定や見直しに参加できる場として設けられたものです。2015年に国が「子ども・子育て支援新制度」をスタートした際に「子ども・子育て会議」を設置し、多くの自治体でも同様の会議体を設けています。

「東京都子供・子育て会議」の都民委員は都内在住、18歳未満の子どもを育てていること、3カ月に1回程度の会議に参加できることを条件に一般公募され、2名が選ばれます。

—一般的にはさほど知られていないこの仕組み。志村さんはどのように知ったのでしょうか?

「どろんこ会グループに入社する前は、都内の区役所の子育て支援部に勤務していました。そこで任されていたのが区の子育て支援計画の見直しで、その中で都民委員についても知りました。実はその時からいつかは都民委員に応募しようとひそかに考えていたのです」

インタビューに応える志村さん
都民委員に応募した経緯を語る

—なぜ応募しようと思っていたのでしょうか?

「区の計画に携わり実感したのが、計画の大切さでした。役所は法律や計画に則って仕事をするため、一職員の意志で何かが動くことは基本的にありません。それは裏を返せば、計画に乗せることができればやりたいことを実現できるということ。東京都で実践された子育て支援計画が国でも採択され、地方に広がっていくという事例も知っており、東京都はやはり日本の子育て施策の先頭を走っているなと感じることがありました。そして私もせっかく東京都に暮らしているのならその施策に少しでも参加できればと思い、応募しました」

どろんこ会で得たインクルーシブ保育の知見も生かす

実は、志村さんはもともと大学の工学部で物質工学を学び、 大手石油会社の研究職から製油所の現場も経験してきたというキャリアの持ち主。区役所への転職、そしてどろんこ会グループへ―。

—「子育て」の仕事に関わろうと思ったきっかけは?

「区役所に転職し、最初にたまたま配属されたのが教育委員会で、子どもたちの教育や育成に強い思いをもった先生方と一緒に仕事をする機会に恵まれ、とても楽しかったです。その後、希望がかない子育て支援部に異動することができました。そこでの仕事を通じ、戦後から保育園を運営してきた地域の重鎮ともいえる方々やその後継者の方のお話を伺う機会もありました。その方々は本当に子どものことをよく見て、考えて、その将来を憂えていて、そういった姿勢にすごく刺激を受けて子育ての仕事に深く関わっていこうと考えるようになりました」

—どろんこ会グループへの入社の決め手は?

「『にんげん力。育てます』の理念に共感しました。なにより一番よいなと思ったのが『子どもに●●をやっちゃダメ』と禁止をしないところです。その理念を実践している人たちと一緒に働きたい、同じ想いをもった人たちとチームとして、同じ方向を見て子育て支援をしたいという思いで入社しました」

今年度新たに開園したメリーポピンズ南砂ルーム
志村さんも開発に携わり、今年新たに東京都江東区に開園したメリー★ポピンズ 南砂ルーム

現在は開発部で補助金申請業務を統括し、新規開園のフォローも手がけています。

—そんな志村さんが都民委員となって取り組みたいことは?

「今回の任期は、令和2年に策定された第二期東京都子供・子育て支援事業支援計画の見直し時期にあたります。計画自体はちょうど新型コロナウイルスがまん延する前に策定されたものなので、コロナの影響が考慮されていないものです。保育環境もコロナをきっかけに急激に変わったと思いますので、それを踏まえて不要なものを削り、必要なものを厚くするという目線で見ていきたいと考えています」

—例えば今考えられる不要なものとは?

「これまで保育においては待機児童対策に議論の時間も、予算も多くを割かれてきましたが、少子化に加えコロナもあり、次のステージに移っています。今後、定員割れした保育園をどうするかという時に、保育園と児童発達支援事業所を併設したインクルーシブ保育など、どろんこ会グループでの仕事で得た知見・経験を、親目線で伝えていければと思っています。それがもしかすると東京発で国を動かすことにつながるかもしれません。大勢が参加する会議なので発言の機会は少ないかもしれませんが、それでも声を上げていきたいです」

東大和市の多機能化モデルのパース
東京都東大和市に新たにつくる予定の児童発達支援センターと認可保育所のインクルーシブモデル

—厚くする必要があるものについてはいかがですか?

「私が保育業界に入るきっかけの一つに、子育て支援には保護者支援が非常に重要だということに気づいたことがあります。以前の私は日々の子育てで悩んだとき、まずは自分の経験の中から解決方法を探していました。でも、この仕事を通じて保育について学ぶことで自身の視野の狭さに気づき、少しずつですが、一人の人間として子どもと接することができるようになってきたと思っています。子どもが1歳なら親も1歳です。子育ては学びによって身につけられるスキルの一つだ、ということがもっと一般的になって、人間性や母性・父性のプレッシャーを感じることなく、全ての保護者が自分自身を信じて、のびのびと子育てができる世の中になるとよいなと常々思っています。なのでぜひ、保護者支援や地域の子育て支援を手厚くすることに目を向けられればと考えています」

志村さんは最後に「これから始まる東京都子供・子育て会議を通じて、ただ会議に参加し、自分の子育てへの思いを伝えるだけでなく、会議で得た知見や、今後の子育て支援施策に対する都の方向性や温度感なども積極的にアウトプットする機会をつくることで、自身の成長につなげていきたいと思います」と意欲を語りました。

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