施設の垣根を超えてスタッフが集結した「子育て探究費2021」運動遊び編

2022.06.09

#保育

三鷹どろんこ保育園 子ども発達支援センターつむぎ浦和美園 株式会社ブリヂストン ころころ保育園 清瀬どろんこ保育園 発達支援つむぎ 北千住ルーム

どろんこ会グループが子どもたちに育みたいとする「6つの力」。その力を育むためにどのような活動をしたらよいのか現場では常に探究を続けています。それを応援するための制度が「子育て探究費」です。

2021年度の審査は昨年9月に行われ10団体が受賞、今年5月に最終報告会もありました。受賞団体が掲げるテーマは、ぬりえに着目したもの、沖縄の伝統を伝えるもの、金融リテラシー教育をテーマとしたものなど多彩です。

その中で2021年度の最高額を受賞した「運動遊び」チームは、保育園と子ども発達支援センターと所属の異なる4人が集まり、プロジェクトを進めてきました。 「子どもたちにケガをしない強い体を育みたい」という共通の想いをもち、子育て探究費に挑戦したスタッフを紹介します。

オンラインで審査実施中
5月に行われた最終報告会

保育と発達支援のスタッフ 共通の得意を生かし運動遊びを提案

運動遊び(遊びを中心とした身体活動)のチームメンバーは株式会社ブリヂストン ころころ保育園(東京都小平市)の金子さん、清瀬どろんこ保育園(東京都清瀬市)の鈴木さんと村山さん、そしてプロジェクトに途中から参加した発達支援つむぎ 北千住ルーム(東京都足立区)の工藤さんの4人です(在籍施設は2021年度当時のもの)。

プレゼンに臨んだ金子さん
オンラインでプレゼンテーションする金子さん

金子さんは長年、運動遊びの重要性や実践方法を学ぶ子育てスキル講座を開いてきました(※子育てスキル講座とは、スタッフが講師となり子育てに関わるさまざまなテーマを学び合う講座)。

その中で、運動遊びについて「どのように行えばよいのか?」「何をすればよいのか分からない」といった悩みをスタッフから聞くことがあったと言います。

そこで、1年目でもベテランでも誰もがすぐに実践できる運動遊びを発信するために、動画制作にチャレンジしようと、子育て探究費に応募しました。

子どもたちと運動する金子さん
子どもの個々の発達を見ながら運動に取り組む。現在は三鷹どろんこ保育園に所属する金子さん

金子さんと同じ想いをもって、運動遊びを清瀬どろんこ保育園で実践していたのが村山さんと鈴木さんでした。

専門学校でスポーツ保育科を専攻し、どろんこ会グループに2017年に入社した村山さんは

「私も最初は運動遊びと言われた時に何をすればよいのかと思いましたが、自分が取り組んできたようなストレッチやトレーニングでも子どもたちは意外と楽しんでくれました。あまり考えすぎず、遊び感覚で準備運動を行い、運動にはゲーム性を取り入れ実践しています。そういった自身の経験も踏まえながらどうすれば運動遊びをできるのか、たとえ運動が苦手であっても遊びなら誰でもできるということを発信したく、プロジェクトに参加しています」と話します。

保育中の村山さん
保育中の村山さん。運動遊びではスポーツ保育科の強みを生かす

2021年に新卒で入社し、少年サッカーのインストラクター経験が長い鈴木さんも

「運動遊びは指導ではなくあくまで遊びとして、まずは大人も子どもも楽しむことから始めてほしいと思います。遊びであれば失敗もないし、子どもの中でルールが発展しても問題ありません。鬼ごっこだけでもいろいろな種類があるので、小さなところから広げていけば、自然とケガをしない体づくりにもつながることを伝えていきたいです」と意欲を語りました。

保育中の鈴木さん
保育中の鈴木さん。入社1年目でも積極的に子育て探究費に参加しました

工藤さんは現在、子ども発達支援センター つむぎ浦和美園で発達に気がかりのあるお子様をサポートしています。どろんこ会グループで10年以上にわたり、保育園から児童発達支援事業所までさまざまな施設での勤務経験があり、乳幼児だけでなく小学校・中学校・高校での運動指導員の資格をもっています。

工藤さんはどろんこ会グループで取り組んでいる長距離散歩やさくらさくらんぼリズムに加え、運動遊びを組み合わせていけば、さらにバランスのよい体づくりができると考えます。さらに、「つむぎでは指示を聞いたり、ルールを守ることが苦手な子どももいるため、運動指導となった時に子どもが自分の思うように動けないことが見受けられます。運動遊びでは全体の流れを決めず、子どもの動きに合わせて柔軟に実施でき、発達に不安のある子どもたちが体を動かす場が提供でき、有効と感じています」と、つむぎでの経験も踏まえ、運動遊びの効果を語りました。

さくらさくらんぼリズムの様子
さくらさくらんぼリズムは全施設で実施しています

現在はグループ内の各施設に協力を仰ぎ、実際の遊びの様子を録画してデータを収集し、「運動遊びは決して難しくない」という4人共通のメッセージを込めた動画の制作中です。

3年後には独自の運動遊びの提案も目指し、「幾つか段階を踏みながら、最終的には子どもたちの個々の発達にアプローチできるようなメソッドをつくりたいです」と、金子さんも意気込みました。

会議に参加する工藤さん
現在の所属先である子ども発達支援センター つむぎ浦和美園で会議に参加する工藤さん(一番右)

さらに工藤さんも「今後は私や金子さんのもっている運動に関する知識を後進に伝えていくことも必要と感じています。運動遊びはもちろんのこと、子どもの体と発達についてスタッフの知識を強化し、保育士ならではの遊びの展開と、作業療法士など専門的な領域の勉強をしているつむぎのスタッフならではの体の動きの見方を合わせ、相乗的にこのプロジェクトを広げていきたいと考えています」と将来を見据えています。

このようにどろんこ会グループには、自身の得意や専門知識を生かし、勤務年数に関わらず施設の垣根を越えて協力し合いながら、子どもたちの成長に役立てよう、課題を共に、自主的に解決していこうと奮闘するスタッフが大勢います。それを応援する子育て探究費のような制度を整えながら、保育の質の向上を続けてまいります。

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