多国籍の環境から異文化交流へ 学園の森どろんこ保育園の取り組み
2023.01.05
日本に暮らす外国の方が年々増加し、出入国在留管理庁の在留外国人統計では、約296万人の外国籍の方が日本で暮らしています(2022年6月末時点)。 どろんこ会グループの保育園にも外国にルーツを持つ子どもが増えており、約6000家庭の利用者のうち、3.9%が外国籍の方です(2022年11月自社調べ)。
どろんこ会グループでは子どもたちが国籍や文化の違いを直接体験する機会を設けることで、乳幼児期から多文化共生の環境作りに注力しています。今回は学園の森どろんこ保育園の異文化交流を紹介します。
学園の森どろんこ保育園は茨城県内で最も在留外国人の多いつくば市に位置しています(出入国在留管理庁「在留外国人統計」2022年6月末現在)。 つくば市は研究学園都市として、数多くの研究機関があり、世界各国から研究者や留学生が来ています。そういった環境の中で、子どもたちがさまざまな国や文化に触れることが多いことから、自然と外国への関心が高まっています。
外国語への自信にもつながった異文化コミュニケーション
今回の異文化交流を企画したのは看護師の山根さんです。ウェブを活用して、アメリカのオレゴン州に住んでいる山根さんの義理のお母様マーガレットさんとつなぎました。子どもたちは「こんにちは」「おはよう」と英語で元気いっぱいにあいさつをしました。
まずは、マーガレットさんの自己紹介からスタートしました。アメリカのオレゴン州にある小学校の図書館でパートタイムで働いていると言います。次に、アメリカクイズをしたり、子どもたちが大好きな絵本『はらぺこあおむし』を英語で読んでもらいました。英語ではあるものの、気がついたら子どもたちはすっかり絵本の世界に入り込んでいました。
続いて、質問コーナーに入ります。子どもたちは簡単な自己紹介と事前に考えた質問をしながら、マーガレットさんと直接会話しました。「好きな食べ物は何ですか」「好きな色は何ですか」と子どもたちからの質問に対して、山根さんは英語に通訳しながら会話のサポートをしました。中には、自分の年齢を英語で堂々と話した子もいました。
最後に、マーガレットさんに向けてお礼に「キラキラ星」「幸せなら手をたたこう」の2曲を皆で歌いました。実は今回の活動の一週間前から子どもたちは一生懸命に歌の練習をしてきました。山根さんは事前に子どもたちがいろんな文化を知って興味を持つきっかけを作りたいと思い、アメリカの家や建物、乗り物、食事の違いについて、写真や動画で見せました。そして、その一週間後にアメリカの方と直接話すことができることを伝えていたので、子どもたちは楽しみにしていました。
自分の経験から生かした異文化へのきっかけ作り
今回の企画について、山根さんはこのように振り返りました。
「私はアメリカ人と結婚して、子育てをきっかけに日本に戻りました。アメリカにいた時は州によって変わりますが、国籍がアメリカの方もいれば、メキシコやベトナムなど、さまざまな国の方がいます。まさに多文化の環境にいました。
つくば市は研究機関があることで外国籍の方がたくさんいることを知り、ここに住むことにしました。世界中にいろんな国や文化があることを自分の経験、そしていま恵まれている環境を生かして子どもたちに伝えたいと思います」と話します。
根本施設長もこう語りました。
「子どもたちは普段、外国の方と会話する機会が少ないですが、今回の活動を通して、自分から話してみることが子どもたちに対して良い刺激になったのではないかと思います。また、ちょうど運動会も控えているので、子どもたちと一緒に万国旗を作りました。日頃の生活の中に少しずつ外国に触れる機会を創っていきたいと思います」
「知る」から始めること、「知る」ことのできる環境構成を通して、どろんこ会グループの子どもたちに多文化共生社会を生きていく力を育みます。
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