3年ぶりのデンマークインターンシップ研修 保育の質のさらなる向上を目指して

2023.03.23

#学ぶ

デンマークインターンシップ研修

「デンマークインターンシップ研修」とは、保育者自身の生きる力向上を目指す海外研修プログラムです。社内公募により選出されたスタッフが、デンマークの保育園で2週間、実際に保育者として勤務します。

新型コロナウイルスの影響で2020年以降実施を見合わせていましたが、2023年、ようやく再開の運びとなりました。

デンマークの子どもたちと交流
デンマークの子どもたちと交流するスタッフ

現地の暮らしや文化も体感

研修には多数の応募があり、書類選考と役員面接を経て、当初は4人の予定でしたが、面接での甲乙つけがたい素晴らしいプレゼンテーションを鑑み、枠を広げて8人が参加できることになりました。

デンマークコペンハーゲンの街並み
コペンハーゲンの街を歩き3年ぶりの海外研修が実現したことを実感

到着後はまず首都コペンハーゲンでの市内研修からスタートしました。

日本とは全く異なる街並み、空気を体感しながら、アマリエンボー宮殿のような歴史的建造物や、自治区として知られ観光名所でもあるクリスチャニアを見学。

コペンハーゲンの観光名所、クリスチャニア
デンマークに行ったら一度は見ておきたいクリスチャニア

宿泊はアパートメントホテルとなり、スーパーマーケットで買い物をして食事を作ったりもします。

アパートメントホテルで生活
現地の暮らしを体感

こうした現地の文化や生活を体験することも研修の大切な目的の一つなのです。

言葉や文化の壁を乗り越え保育に挑戦

最初の1週間は「アスモンスミーネ」という保育園に勤務しました。

毎朝市内の保育ステーションに集合し、バスで1時間弱ほどの郊外の保育園へ移動します。

園庭はまるで森のように広く、子どもたちはどこで過ごすか自分で選択しています。

森の中にある研修先の保育園
森の中で過ごしているようなアスモンスミーネの保育現場
どろんこ保育園のようにヤギや鶏がいました
どろんこ会グループの保育園と同じように鶏やヤギがいます

当初は警戒していた子どもたちも大自然の中で一緒に全力で遊ぶことですっかり打ち解け、参加者も言葉の壁を全く感じなくなったと言います。

全力で遊んで打ち解けました
全力で一緒に遊びすっかり打ち解けました
登園後の朝食でスタッフ同士も交流
登園後すぐの朝食タイムで交流

日本から持って行った折り紙を遊びの中に取り入れてみると、子どもたちが次々に集まりました。また五平餅を作ってみたら大人気だったとのこと。自国の文化を伝えながら相手の文化を知る、身をもって異文化交流ができたことは貴重な体験となりました。

折り紙は大人気
手裏剣や紙飛行機の折り紙が大人気でした

デンマークの保育園には保育のヒントがいっぱい

そのほか異なるタイプの保育園も見学しました。0歳児~5歳児までが乳児と幼児で分かれて暮らすロザリエ、発達に気がかりのある子どものためのクラスがあるルムチヴェアセット、障害児保育施設のトロルピーレンを回り、各所での工夫を見ることができ、驚きや発見が多々あったと言います。

室内は遊びごとにコーナー分けされています
ルムチヴェアセットの園内は遊びでコーナー分けされていました

中でも最も驚いたのは、午睡時に部屋の窓を開放し、子どもたちは外気温と同じ中で防寒着のまま眠ることです。どうやら北欧では当たり前のことのようで、より新鮮な空気の中で眠ることで睡眠の質が高まり、屋内の暖かい部屋よりもより長い睡眠時間を確保できるのだとか。

午睡室の窓は開放しています
窓を開放し外気温と同じ中で午睡

トロルピーレンでは、新しい物やいつもと違うことが苦手な子どもが多いため、給食は月曜日から金曜日まで同じメニューを提供するという工夫が見られました。

あえて変化をつけない給食
給食は同じ物を提供することで子どもに安心感をもたらします

自身の保育を見つめなおすきっかけとなった海外研修

今回研修に参加した発達支援つむぎ 池尻ルーム(東京都世田谷区)の恩田さんは、「デンマークで保育を経験した中で最も印象的だったのは、子どもも大人も『対話力』があることでした。『こういうルールで遊びたい』『これがやりたい』など自分の気持ちや考えを相手に伝えることができる子どもが多く、それはなぜなのかを考えると、保育者が一人ひとりの子どもの考えを受け止められる時間を確保できる関わり方をしているからだと感じました」と振り返ります。

野外で調理する恩田さん
屋外で調理する恩田さん

P’sスマイル保育園(神奈川県横浜市)の森田さんは、「子どもたちに生きる力を育むには、直接体験を通して感動したり失敗したりしながら、実際の生活や社会、自然の在り方を学ぶことが大切です。大人である私たちは子どもたちを見て、話を聞き、困った時に手を差し伸べ助け、共に解決する存在です。その責任をあらためて実感することができました」と話します。

コミュニケーションを積極的に図りました
英語や翻訳アプリを使ってコミュニケーションを工夫しました

保育者の在り方、子どもとの関わり方をあらためて考え直すきっかけともなったデンマークインターンシップ研修。今後は経験したこと全てを自園に持ち帰り仲間と共有し、また、勉強会を開き発信していく予定です。

どろんこ会グループは保育者の学び続ける姿勢を応援し、成長する機会を創ります。

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