高堀代表が埼玉大学‐埼玉りそな銀行寄附講義「地域金融×地域創生入門」に登壇
2023.08.03
2023年6月、埼玉大学で開講されている寄附講義「地域金融×地域創生入門」に高堀代表が登壇しました。全学部の学生を対象に、埼玉県とゆかりのある企業が地域創生やSDGsなどの取り組みを紹介する講義です。高堀代表は「福祉×農業。地域や日本を良くする私たちの挑戦」と題して講義を行いました。
大学生時代に学習塾を経営。子どもたちから学んだことが原点
高堀代表は自己紹介で、大学2年生の時に小学生、中学生対象の学習塾を立ち上げ、多くの不登校児、障害児の学習支援に関わってきたことを話しました。塾運営から高堀代表自身が学んだことは「偏差値の良い学校へ行くことよりも、自分なりに努力し成長することが素晴らしい」ということ。学校に行けなくとも、塾で自分なりに学習に取り組み、進学する子どもたちの姿を目の当たりにして、周りと比較し評価するのではなく、その子自身が自分の中でどれだけ成長するかが大切であることを大学生に語りかけました。
保育事業を立ち上げるきっかけでは、長男を保育園に預けたことで知った保育園の現状に疑問を感じるとともに、勤務先の会社で優秀な女性社員が結婚や出産を機に、仕事内容が変わったり退職したりする現状を目の当たりにしたことを挙げました。
課題解決に向けて、考えながら走り続けた25年
感じた課題をどのように解決するかについては、事業を始める時の心得、創業から25年かけて展開してきた保育事業や児童発達支援事業、障害の有無にかかわらず全ての子どもを共に育てるインクルーシブ保育の実践など、苦労話も交えて紹介。縦割り行政の壁を崩すために、自治体と粘り強く協議し、政治家や国の関係機関にも要望を挙げて一歩ずつ改善を進めてきたチャレンジについても語りました。
後半は、今回のテーマ「福祉×農業。地域や日本を良くする私たちの挑戦。」の核心部分を講義。農業(米と野菜の生産)では、子どもたちの生きる力を育むために始めた新潟県南魚沼市での田植え・稲刈り体験ツアーで、後継者不足などで日本の米作りが危機的状況に陥っていることを痛感し、地域の農家の方たちと株式会社南魚沼生産組合を設立したことを話しました。全ての人が「生きる力」をもって、よく生きられる社会を創るための今後10年の展望も話し、講義は終了。
大学生からは、
経営者に依存しない園の経営とは、具体的にどういうことですか?
工学部出身で保育事業は専門外だと思いますが、専門外の壁を感じたことはありますか?
との質問がありました。
高堀代表は「良い園は、園長のトップダウンではなく、スタッフ一人ひとりが能動的にさまざまなことを提案し、実現できる園です。そのような園経営ができるような仕組みを作ってきました」と説明。専門外の壁はあったのかの質問については、「工学部といっても、主に経営工学を学びました。保育は確かに専門外でしたが、壁を感じたことはありません。課題を解決しようと思った時に、突破していくためにはどうすればよいか、全部自分で調べて進んできたんです」と答えました。
講義に参加した学生の皆さんの感想では、印象に残った言葉として「偏差値よりも、自分なりに努力して成長することが素晴らしい」「理想実現のために粘り強く闘えるかが大事」「自分から一歩、半歩踏み出すことで、その後の人生は大きく変わり得る」などが多く挙がっていました。また、社会課題の解決につながると思ったことについては「インクルーシブ保育・教育の取り組み」「循環型社会を創る保育と農業の連携」が多く、今後のキャリアを考えるヒントになったという感想も多数いただきました。
「アントレプレナーシップ(起業家精神)教育」で「にんげん力」を育む
今、文部科学省では大学生や大学院生のみならず、小中高生なども対象に「アントレプレナーシップ教育」を推進しています。「アントレプレナーシップ(起業家精神)」とは、「起業意思の有無に関わらず、 困難や変化に対し、与えられた環境のみならず自ら枠を超えて行動を起こし新たな価値を生み出していく力」のこと(文部科学省『全国アントレプレナーシップ人材育成プログラム』HPより)。どろんこ会グループが子どもたちに育む「にんげん力」「生きる力」の考え方も同じです。
今後もどろんこ会グループは、高堀代表と安永理事長による小中高生や専門学校生、大学生などを対象としたアントレプレナーシップ教育・キャリア教育セミナーや講演を積極的にお受けしてまいります。
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