台湾稲江高校xどろんこ会 台湾-新潟-東京をつなげて異文化理解への第一歩
2023.08.31
どろんこ会グループでは子どもたちが国籍や文化の違いを直接体験する機会を設けることで、乳幼児期から多文化共生の環境作りに注力しています。今回は台湾稲江高校(稲江高級護理家事職業学校)とどろんこ会グループの園児がオンラインで交流した様子を紹介します。
日本語を学ぶ学生と異文化を楽しむ
台湾稲江高校(台湾台北市)には幼児保育学科と日本語学科があり、今回は日本語学科の2年生と、南魚沼どろんこ保育園(新潟県南魚沼市)、バジリッコ保育園(東京都板橋区)の子どもたちがウェブでつながりました。子どもたちは「こんにちは」と中国語で元気いっぱいにあいさつをしました。(※バジリッコ保育園は、どろんこ会グループが受託運営するエスビー食品の事業所内保育所です。)
まずは、稲江高校学生の皆さんの自己紹介からスタートしました。学生の皆さんは日本の文化に興味があり、一生懸命に日本語を勉強していると言います。次に、「きらきら星」の日本語版、中国語版を歌ったり、子どもたちが好きな紙芝居「おおきなかぶ」を中国語で手作りの絵と一緒に披露しました。たとえ言葉が分からずともかわいい人形と絵を見ているうちに、子どもたちは自然と引き込まれストーリーに集中していました。
続いて、南魚沼どろんこ保育園の5歳児から「いろはかるた」の遊びを紹介しました。学生の皆さんが読み手となり、札を読み上げてくれました。学生は札を読み上げることで日本のことわざを知ることにもつながったと言います。
その後の質問コーナーでは、お互い簡単な自己紹介と事前に考えた質問をしながら直接会話しました。「好きな食べ物は何ですか」「好きな遊びは何ですか」と学生からの質問に対して、子どもたちが回答します。その回答を中国語でどのように言うのかも教えてもらいました。
最後に学生の皆さんへのお礼として、南魚沼どろんこ保育園の子どもたちが、お互いによく知っている歌「Happiness」を踊りながら歌いました。
今回の交流について、南魚沼どろんこ保育園の若杉施設長はこう語りました。
「南魚沼どろんこ保育園の年長児は海を越えた外国の方と交流できることを、とても楽しみに待っていました。最初は緊張気味でしたが、稲江高校の学生さんの歌や紙芝居、優しい笑顔で緊張もいつの間にかほぐれていました。『また、会いたいね』という感想も子どもたちから聞かれ、子どもたちにとって貴重な体験になりました」
また、バジリッコ保育園の中島施設長もこう話します。
「1、2歳の子どもたちにとって『外国』という認識はまだ難しいと思います。それでも、普段聞き慣れない言葉、知っている歌だけど、日本語の歌詞ではない歌を聞く体験をすることで、『外国』を知る良い機会になりました。交流後も中国語できらきら星を歌う子がいて、外国に興味を持つことができたと感じました」
多様性を受け入れる経験 異文化に触れるきっかけづくり
今回の異文化交流を企画したのは広報部の曾さんです。企画の背景についてこのように語りました。
「私は台湾出身で、台湾で日本語を学び、卒業後に日本に来ました。自分のバックグラウンドを通じ、子どもたちに異なる文化を『知る』『理解する』ためのきっかけを作りたいと考えました。私が高校生だった時、母校では日本の姉妹校の学生との交流が盛んでしたが、子どもたちとの交流はありませんでした。そこで母校の担任の先生に連絡をとってみたところ、今回の企画を実現することができました」
そして、交流後にこのように振り返りました。
「学生の皆さんは普段子どもたちと関わる機会が少なく、かつウェブでの交流のため、言葉がうまく伝わるかどうか不安な様子でした。それでも1カ月前から子どもたちの好きな絵本や歌を調べるなど試行錯誤しながら準備を進めてくださり、当日はとても楽しかったという感想を聞くことができたので良かったと思います」と話します。
また、
「学生の皆さんにとっても、自分たちが今学んでいる言語を実際に使って現地の人と話すことができたのは良い刺激になったのではないでしょうか。これからは学生と、園児だけでなくスタッフとの交流も設けることで、お互いに学び合う機会を作っていきたいと考えています」と曾さんは今後について話しました。
「知る」から始めることを大事に、どろんこ会グループでは子どもたちに多文化共生社会の未来を生きていく力を育んでまいります。
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