保育園の調理から就労支援の道へ グループ内で新たなキャリアを築く「しごとチャレンジ!」制度

2023.12.14

#就労支援#採用

就労支援つむぎ 武蔵野ルーム

どろんこ会グループは、2023年からキャリア支援の専門部署である「キャリア相談室」を設置し、業界でもいち早く「セルフ・キャリアドック」を導入し、職員のキャリア形成に力を入れています。

今回はキャリア支援の取り組みの一つ、「しごとチャレンジ!」という職種転換制度を利用し、新たなステージに進んだ一人の職員を紹介します。

「しごとチャレンジ!」とは、自らキャリアプランを考え、自分の意思と希望により新しい道を開拓する、どろんこ会グループの「スタッフ一人ひとりの働く意欲を応援する仕組み」のひとつです。現在とは異なる職種にチャレンジし、新たなキャリアを築き、ステップアップできる制度となります。

二神さんはこの制度を利用し、保育園の調理師から就労継続支援B型事業所のスタッフに挑戦することになりました。

つむぎ 武蔵野ルームの二神さん
調理師から就労支援スタッフに転職を果たした二神さん

グループ内だから安心 新たなキャリアを築く

二神さんは2014年にどろんこ会グループに入社し、清瀬どろんこ保育園(東京都清瀬市)、三鷹どろんこ保育園(東京都三鷹市)、メリー★ポピンズ 松山ルーム(東京都清瀬市)と9年間にわたり調理師として勤務してきました。

「自分のライフスタイルを振り返り、一度給食調理から離れてみようと思った時、社内報で『しごとチャレンジ』の募集を見かけたのです」と話します。

募集要項で見た中でも発達支援つむぎのスタッフ募集に目が留まったと言います。

「身近に配慮を必要とする人がいたり、9年間保育園で働く中で障害をもつ子どもたちも多く見てきました。特にその子どもたちの行く末が気にかかっていたのが頭にあったのかもしれません。実は退職も選択肢にあったので本部に相談してみたところ、就労支援つむぎ 武蔵野ルームのオープンに合わせて、管理栄養士の資格も生かしながら就労支援のスタッフとしての働き方はどうかという提案を受けました」

生き生きとした笑顔でインタビューに応える二神さん
生き生きとした笑顔でインタビューに応える二神さん

グループとしても初挑戦となる就労支援事業。全く異なる環境に飛び込むことに不安はなかったのでしょうか?

「もちろんありました。ですが、就労支援部の部長や武蔵野ルームの施設長が丁寧に説明をしてくれたので、この人たちについていけば大丈夫だと思えたのです。また、自分の年齢を考えてもゼロから始めるよりは理念も理解している同じグループ内での転職は魅力に思いました」

新たな環境で自分を見つめなおす

就労支援つむぎ 武蔵野ルームは2022年7月にオープンした、どろんこ会グループ初の就労継続支援B型事業所となります。武蔵野ルームでは利用者がさまざまな仕事、職業に触れ、自分自身の好きなことや得意なことを見つけ、選択の幅を広げられるような支援をしています。そのために農業、調理、縫製、ルーム内にあるつむぎカフェ武蔵野での接客・販売・運営といった仕事があります。

ガラス張りで活動の様子が見やすい武蔵野ルーム内
キッチンもガラス張りで開放的な雰囲気のつむぎカフェ武蔵野

カフェではスパイスカレー、パウンドケーキ、自家焙煎のコーヒーなどを提供しています。

就労支援の利用者は、野菜のカットをはじめ調理の準備、盛り付け、接客、コーヒーの抽出、さらにはドリップコーヒーの販売も行うためその袋詰めなど、多岐にわたる作業に携わります。商品開発やマーケティングもスタッフと一緒に行います。スタッフは各々の得意不得意に寄り添って、できることに取り組みつつ、チャレンジもできるようにさまざまな作業を通して可能性を引き出すことを心がけています。

一杯ずつ丁寧に淹れます
スタッフと利用者の方が協力しながらカフェを運営しています

二神さんは調理を中心に支援をしていますが、スパイスカレーの提供は試行錯誤だったと言います。

「私たちは利用者様のことをメンバーと呼んでいますが、メンバーは毎日同じ作業をするのではなく、いろいろなことに挑戦できるよう、その日何をするか自分で選んで決めてもらっています。とはいえ、カフェで提供するスパイスカレーは、保育園と違って毎日同じ料理を提供するので、一貫した味わいとクオリティを保たねばなりません。試行錯誤した結果、メンバーには材料や調味料の準備をしてもらい、スタッフが調理をするようにしました」と話します。

利用者の方と働く二神さん
キッチンで利用者の方と共に働く二神さん

また、保育園での働き方とは時間の使い方にも変化があったと言います。

「保育園で調理している時は昼食やおやつに間に合わせるため日々時間との勝負でした。武蔵野ルームに来てからはカフェでの調理接客、障害者支援といったこれまで全く知らない分野に足を踏み入れたので、どのようにすればうまくいくのかを考える時間が増えたと思います。また、他者理解の重要性も痛感しています。ただ、新しい経験や違う世界を知ることで自分を振り返ることもでき、やはり自分は調理が好きなんだとあらためて実感しました」と気づきを得た二神さん。

保育園とはまた違う働き方で調理に向き合う
保育園とはまた違う働き方で調理に向き合う

今後の抱負を尋ねると「現場では日々いろいろなことが起こるので、一つひとつ対応するのに精一杯ですが、毎日をメンバーとスタッフと楽しく働いていけたらいいなと思っています。また、いつかこの職種転換制度が特別なことではなく、誰もが自分の職場だけでなく気軽にスイッチして働けるような環境になるとよいなと思います」と語りました。

コーヒーの計量をサポートする二神さん
コーヒーの計量をサポートする二神さん

今年度もどろんこ会グループでは「しごとチャレンジ!」制度の公募が始まりました。保育園からつむぎへ、現場から本部へ、施設長や主任へのキャリアアップ、バス運行スタッフの募集など、新しい自分に出会うきっかけや活躍の場をさらに広げるチャンスを創り、スタッフが充実したキャリアパスを描けるよう応援していきます。

施設情報

就労支援つむぎ 武蔵野ルーム

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