東京未来大学で安永理事長が講義。保育教育・心理専攻の学生が共にインクルーシブ保育について考える場を

2024.10.10

#メディア・講演

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東京未来大学こども心理学部の小谷准教授よりご依頼をいただき、安永理事長が保育教育専攻と心理専攻の学生を対象に、インクルーシブ保育の講義を行いました。

ご依頼のきっかけは、2023年9月に開催された「あたらしい保育イニシアチブ」での安永理事長の講演「認可保育園の中に児童発達支援事業所をつくってみた。」でした。認可保育園と児童発達支援事業所を併設し、双方のスタッフが一体的な保育・支援を行っているどろんこ会グループのインクルーシブ保育に共感された小谷准教授。併設施設であっても、開所当初は保育園と発達支援スタッフの間にすれ違いがあったエピソードもお聞きになり、保育教育と心理専攻の学生が在学中に共にインクルーシブ保育について学んでおくことが、そうした壁の解消につながるのではないかと思われたそうです。

「あたらしい保育イニシアチブ」での講演

さまざまな大学で数多くの講義経験がある安永理事長にとっても、保育と心理、分野が違う学生が混ざり合う場での講義は初めて。保育士と心理職が共にインクルーシブ保育に取り組む未来の一助になればと、約260名の学生を対象に講義を行いました。

インクルーシブ保育に対する後ろ向きな考えを変えるきっかけに

講義前のインクルーシブ保育の賛否を問う学生アンケートでは、「障害のある子が集団の中で、さらに辛い思いをするのではないか」など、懐疑的な考えがあることも聞いていた安永理事長。「なぜ今必要か、どう実践するかインクルーシブ保育」の講義の中で、幼児期から障害を理由に行われている区別・特別扱いが、高校入学や成人前に就業に対する自己検討・自己選択をすること、社会参画の機会を奪うことにつながっている問題に触れ、「守る・分ける福祉」から「自分の足で歩む支援へ」転換していかねばならないことを伝えました。

インクルーシブ保育の実践事例を交えながらの講義を、ノートいっぱいにメモを取る学生の姿も。講義終了後には数名の学生が残り、質問や感想、併設施設を見学したいとの希望を伝えに来てくれました。

東京未来大学での講義の様子
1限目と2限目に講義。合わせて約260名が参加しました

後日のアンケートでは、

  • 自分は初めインクルーシブ教育には、あまり賛成派ではなかったのですが、話を聞いて自分の考えが昔の考え方になっていたことに気が付けた良い機会になりました。
  • 安永理事長のお話を聞いて、自分の中の価値観が変わりました。発達障害の子に対して、特別な支援をすることが良いこと、適切なことだと今まで考えていたけれど、実際はそうでは無いことが分かりました。

との感想もあり、インクルーシブ保育に対する考えが変わるきっかけとなったようです。

グループディスカッションする学生たち
保育教育、心理専攻の学生が混ざり合ってインクルーシブ保育をディスカッション

インクルーシブ保育についてもっと知りたい。併設施設の施設長との座談会も開催

講義終了後、どろんこ会のスタッフともディスカッションをしてみたいとの声もいただきました。そこで、後日、発達支援つむぎの併設施設である八山田どろんこ保育園(福島県郡山市)の真島施設長と香取台どろんこ保育園(茨城県つくば市)の篠﨑施設長も交えた座談会も開催。両施設長からは、それぞれの園で保育園と発達支援つむぎの子どもたちが混ざり合い、どのように遊び生活をしているかを紹介しました。

二人の施設長を紹介する安永理事長
両施設長を紹介する安永理事長

真島施設長は、日々起こるけんかやぶつかり合い、発達障害や発達に気がかりのある子どもたちが抱えている葛藤を紹介。ぶつかり合いの経験を積み重ねて感情をコントロールする力が育ってきたつむぎの利用児や、障害があるから「できない」ではなく、その子の「できることや得意なこと」に目を向けられるようになった園児のエピソードを伝えました。

八山田どろんこ保育園施設長
保育士と発達支援スタッフの連携の様子を伝える真島施設長

香取台どろんこ保育園は発達支援つむぎと学童保育、放課後等デイサービスと4つの機能を持つ施設です。学童や放デイの小学生が乳幼児のお世話をしている場面など、篠﨑施設長が紹介した学齢期を含めた異年齢・インクルーシブ保育のエピソードは、後のグループディスカッションで小学校でのインクルーシブ教育に触れるきっかけにもなっていました。

香取台どろんこ保育園施設長
各グループをまわって学生たちの質問に答える篠﨑施設長

保育と心理の分野の垣根を越えて、学生同士がインクルーシブ保育について考える機会を設けることは、保育と発達支援の一体的な支援をより確かなものにしていくと実感した講義と座談会になりました。今後もどろんこ会グループは、学生の皆さまがインクルーシブ保育の理解を深められるよう、こうした講義や座談会の機会を作ってゆきたいと思います。

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