環境教育を通じ保小連携へとつながる交流を実施 東大和どろんこ保育園での取り組み

2025.04.03

#保育

子ども発達支援センターつむぎ 東大和 東大和どろんこ保育園

東大和どろんこ保育園と子ども発達支援センターつむぎ 東大和(東京都東大和市)では、隣接する市立第八小学校の5年生との環境教育を通じた交流会を実施しました。

小学生が授業の一環で保育園へ

2024年4月にオープンした東大和どろんこ保育園と子ども発達支援センターつむぎ 東大和。子どもたちの就学を見据え、隣接する市立第八小学校との交流を進めようと日ごろからさまざまなコミュニケーションを取ってきました。

そんな中、小学5年生からとある相談が。総合的な学習の時間で取り組む「脱プラ!プロジェクト」の一環で、TSUMUGI CAFEにてバガス容器を取り扱ってもらえないだろうかというのです。

小学生がつくったバガスについての冊子
バガス容器の普及のため小学生自ら資料も用意していました

「バガス」とはサトウキビから砂糖などを生産する際、搾汁後に残る茎や葉などの搾りかすです。小学生はプラスチックごみが環境に与える影響などについて調べるうちに、プラスチックごみを減らすための取り組みの一つとして「バガス」を知ったといいます。バガスから作られたコップや皿などの容器は、土に埋めて肥料にすることができます。プラスチックごみを減らすためにバガス容器の普及を進めることになりました。そこで、利用者にコーヒーや紅茶などを提供しているTSUMUGI CAFEを訪ねてきたのです。

来園者が自由に立ち寄れるつむぎカフェ
誰もが利用できるつむぎカフェ

東大和どろんこ保育園の園庭には田んぼも畑もあり、園児の環境教育にも積極的に取り組んでいます。また保育園と小学校のさらなる連携にもつなげていきたいという思いもあったので、園にとってもとてもうれしい申し出でした。

エコな取り組みを共に学ぶ

バガス容器を届けに来た小学生は園児たちにもプラスチックごみのこと、バガスのことを知ってもらいたいと考えるようになり、そこで絵本やポスターなどさまざまな資料を用意して、園内に掲示をしました。

玄関に目立つように掲示しています
誰もが見やすいよう玄関に掲示

2025年1月には、バガス容器について学んだり、園で行っているエコな取り組みとして「ぬか釜炊飯」を体験するという交流会も実現しました。

小学生が東大和どろんこを訪ねてきてくれました
小学生と園児が対面であいさつ

朝から園に来てくれた小学生たち。あいさつのあとにグループに分かれると、最初は少しとまどいながらも園児たちにやさしく話しかけ、まずは米研ぎからスタートしました。

小学生のリードのもと一緒に米とぎをしました
小学生がリードしながら一緒に米研ぎをしました

その後、グループごとにバガスについての紹介です。劇を披露したり、紙芝居をしたり、それぞれに趣向を凝らしながらバガスのよさを園児たちに伝えました。

紙芝居でバガスについて伝える小学生
紙芝居や劇でバガスについて伝える小学生

幅広い異年齢・インクルーシブな交流が実現

稲を刈り取ったあとの田んぼではぬか釜炊飯の実演をしました。東大和どろんこ保育園の宮澤施設長が杉の葉っぱともみ殻を使って炊くエコな炊飯であることを説明し、小学生に実際に火をつけてもらいました。

マッチをするのも貴重な体験
マッチをすって火をつけるのは貴重な直接体験

ごはんが炊きあがるまでは園庭遊びを十分に楽しんだ子どもたち。築山を思い切り駆け回ったり、泥遊びに夢中になったり、ヤギにえさをあげたり、鶏の卵を見つけて一緒に喜んだり。園児も小学生も心から安心して楽しんでいる様子が見られました。

小学生も盛り付けを手伝いました

炊きたてのごはんをバガスの食器に盛り付け、皆でいただいたのち、食器を畑に埋めました。小学生が実際にバガスを埋めた土と埋めていない土でどちらのカブが速く育つかを実験したところ、埋めた土の方が速く発芽するという結果を得ました。東大和どろんこ保育園の今後の野菜作りも楽しみです。

園庭の畑にバガスを埋めました
東大和どろんこ保育園の園庭の畑にバガスを埋めました

保育園から小学校への円滑な接続のために

小学生に園児たちとの交流について感想を聞いてみました。

●「バガスの話を聞いてもらうのは難しいと思ったけれど、見てもらえるだけでもうれしかった」

●「授業で脱プラスチックについて調べていくうちに、バガスという最先端の取り組みを知ることができた。未来を担っていくのは子どもたちだから、私たちよりも下の世代に伝えていけば、私たちがいなくなってもこのことを伝えてくれると思っている」

小学生の環境への思いも込められていました
環境に対する小学生の思いが伝わる取り組み

第八小学校5年生担任の藤沼先生は「今日の交流に向けて全て子どもたちは自分たちで内容を考えてきました。東大和どろんこ保育園にカフェがあることも子どもたち自身で見つけてきて交渉に行く経験もすることができました。また、こちらはインクルーシブ保育を実践しているということで、さまざまな子と接することができたのもとてもよかったと思いました」とお話しくださいました。

つむぎの子と交流する小学生
インクルーシブな環境に自然になじむ小学生

また、宮澤施設長も「私たちもバガスについて知ることができ、今後の子どもたちの環境教育につなげていきたいです。大人からよりも、より年齢の近いお兄さんお姉さんに教えてもらうほうがインプットできるように感じました」と、今回の交流が子ども・スタッフ双方の学びになったと語りました。

隣り合う環境を生かし今後もさらなる連携を
隣り合う環境を生かし今後もさらなる連携を

現在、文部科学省では保育園・幼稚園から小学校に向けて円滑に接続できるよう、保育園・幼稚園・小学校が意識的に協働して教育を充実させることを目指しています。

保育園では就学前の5歳児にふさわしい主体的・対話的で深い学びの実現が求められます。今回主体的に活動する姿を見せてくれた5年生は園児たちのあこがれとなり、小学校への期待も高めてくれたのではないでしょうか。

東大和どろんこ保育園・子ども発達支援センターつむぎ 東大和では引き続きこうした交流を重ねながら保小連携を強化していきます。

施設情報

東大和どろんこ保育園

子ども発達支援センターつむぎ 東大和

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東大和市立第八小学校バガスの取り組みについて

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