馬場どろんこ保育園「大きな家で、大きくなあれ」

2022.01.24

#保育園

新しい年が始まり、馬場どろんこ保育園にも子どもたちの元気な声が戻ってきました。

今回のブログでは、馬場どろんこ保育園の保育の特色のひとつである、「異年齢保育」についてご紹介します。

異年齢保育というと、いわゆる縦割り保育を想像する方も多いかもしれませんが、馬場どろんこ保育園の異年齢保育はそれとは違います。

馬場どろんこ保育園では、3~5歳児は年齢ごとのクラスではなく一つの大きな部屋で一緒に生活しています。年齢ごとに分かれていると、「この子は〇歳なのにこれができない」等、子どもを比べてしまいがちですが、異年齢で生活することによって、一人ひとりを個人として見ることができます。

また0~2歳児は、それぞれの保育室がありますが、いつも年齢ごとに分かれているのではなく、活動によってさまざまな年齢の子どもが混ざり合って生活しています。年度の後半になると0歳児も活動範囲が広がり、異年齢での活動も多くなります。さまざまな年齢の子どもと大人が、家族のように自然に関わりあいながら生活する、「大きな家」となるよう、日々の保育を行っています。

特に0歳児は、兄姉がいない場合、保育園に入園してほぼ初めて同年代の子どもと関わるという子も多く、入園したての頃は大きな子を怖がる子も少なくありません。しかし、一緒に過ごす時間が増え、優しくお世話してもらうことで、今では皆とても安心した様子で年上の友だちと触れ合っています。

さまざまな年齢の子どもが関わる様子

1歳児になると、少しずつ身の回りのことができるようになっていきます。そして、これまで自分が年上の友だちにやってもらったことを、今度は自分が小さな子にやってあげようとする姿も見られるようになっていきます。

大人から見るとまだまだ小さな1歳児でも「自分はお兄さん・お姉さんなんだ」という自信と喜びがそのような行動に表れているのです。助けてもらって嬉しかったから、今度は自分が助けてあげる。そして助けてもらった子はまた次の子へ、と引き継がれていきます。

小さい子に靴を履かせてあげる子ども

2歳児は、個から集団へと意識が広がっていく年齢です。クラスの友だちとの仲間意識が強くなり、友だちと一緒に何かをすることを楽しめるようになってきます。そしてだんだんと年上の子への憧れの気持ちも強くなってきます。

馬場どろんこでは2歳児クラスの後半から少しずつ3~5歳児と一緒に過ごす時間を増やしています。初めは、散歩の時に手をつなぐ等の小さな関わりから、少しずつ年上の子との関わりが増え、真似してみようとする姿が見られるようになっていきます。大人がやらせるのではなく、お兄さんやお姉さんの姿を見て「自分もできるようになりたい!」と、自分から挑戦することで真の学びになり、力になっていきます。

下の写真は、馬場どろんこ保育園で日課として行っている『さくらさくらんぼリズム』の様子です。曲に合わせて行う体操で、5歳児頃になると頭とつま先がしっかり付き、きれいな三角形を形作ることができます。2歳児もそれを真似して一生懸命です。

『さくらさくらんぼリズム』の様子
『さくらさくらんぼリズム』の様子

異年齢保育を行う上で意識していることは、子どもたちが選択できる機会をできるだけ多く設けることです。大きな集団の中で、全員で画一的な活動するのではなく、子どもたちがそれぞれのやりたいことを自身で選択できるようにしています。

散歩に行くか室内で遊ぶか、室内では何をして遊ぶか、どの公園に散歩に行くか等、年齢毎ではなく自身で選んだ活動によって集団ができるのです。

室内で遊ぶ子どもたち

大人が何をするか全て決め、「指示・指導」するのではなく、乳幼児期から日常的に子ども自身が自分の頭で考え、選択し行動できるよう、保育者が「援助」していくことで、子どもたちが社会に出たときに自分の考えを表明できたり、自分に自信を持って行動したりできることにつながると考えています。

従来、人はさまざまな年齢・性別等が混ざり合って生活することが、自然なことでした。それを、保育や教育を集団で行う際に、便宜上年齢別に分けるようになりました。

これからの時代、さまざまな人との直接的な関りを持つことが、より重要になってきます。人格の形成に非常に大きな影響を持つ乳幼児期に、多様な人々と関わる機会を多く設け、人と関わりあうことが好きな子どもに育ってもらいたいです。

大きな子も小さな子も、それぞれが影響を与え合いながら日々成長しているこの大きな家で、みんなみんな大きくなあれ。

文:馬場どろんこ保育園職員

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