発達支援つむぎ 新羽「つながる活動と10の姿の育ち~ジュースづくり、ゼリーづくり、誕生日会~」
2022.11.04
#発達支援
発達支援つむぎ 新羽ルームの午後のビジターグループは2~6人の少人数で活動しています。友だちとの関わりを深めたり、興味のある活動を他者と共有しながら過ごすことを大切にしています。幼児期の終わりまでに育ってほしい10の姿につながってほしい10の姿にある、かかわる力(協同性や道徳性・規範意識の芽生え、社会生活の関わりなど)をねらいに8月~9月にかけてジュースづくり、ゼリーづくり、誕生日会を行い、年長のAくん、Bくん、Cくん、年中のDくん、Eくんの姿を追いました。
7月末
自分たちで作った梅シロップを使って、梅ジュースを飲みました。ある日、帰りの集まりでAくんが「また梅シロップが飲みたい」と言い、Bくんが「ほかのジュースを飲みたい」と言いました。そこからジュースづくりが始まります。
「8月末~9月初旬」
子どもたちはジュースを作りたいという気持ちはありますが、どう作ったらいいのか、何をしたらいいのかイメージが持ちにくい様子でした。そこでジュースづくりを行うための計画づくりを行うことにしました。何ジュースを作りたいかと聞くとAくんは「バナナジュースがいい」Bくんは「ブドウジュース」と答えました。その次にジュースを作るために必要な道具はなにか聞くとAくんとBくんは「バナナと氷と甘いやつと…」と必要な材料を答えます。道具が出てこないときには「コップは必要?」「どうやって作るの?」など細かく質問をすると、考えながら「コップで飲むんだよ」「全部入れて混ぜる」などジュースづくりをイメージしながら紙に書きました。買い物にはAくん、Bくん、Cくんの3人で行きました。
ジュースづくり
ジュースづくりはAくん、Bくん、Cくんの3人で行いました。作り方を説明しホワイトボードに書くと自分たちで「ブドウ取りたい」「僕は甘いの入れる」など工程を聞きながら自分たちでやりたい工程を決めます。工程の担当は決めましたが、実際の活動になると2人でブドウの実を茎からとったり、砂糖を取り出す間に袋を支えたり、何回入れたか一緒に数えました。大人数では他児がやっている作業を見ずにほかの場所に行くことも多いですが、2~3人の少人数で行うと相手の作業を見て、協力して行うことが増えます。活動の途中で次の工程がわからなくなった時にはボードを使いながら「次は3番の砂糖を入れるだね」「水はコップ5回分」など数を意識して伝えると自分たちで数を数えながら取り組んでいました。
帰りのあつまり
ジュースづくりがひと段落すると、帰りの会で9月に誕生日があるDくん、Eくんの話になりました。誕生日が来ると何をするのか聞くとCくんから「誕生日会」と話が出てきたのでみんなで誕生日会をすることしました。誕生日会には何が必要か聞くとBくんが「ケーキ」といいました。ケーキを作ることは難しいけれどゼリーなら作れることを伝えると誕生日会にゼリーを作って出すことになりました。
ゼリーづくり
ゼリーの買い出しにはCくん、Dくん、Eくんで行き、ジュースづくりで買い物を経験しているCくんがかごの場所や品物の場所などを伝え、リードをしながら買い物をしていました。
ゼリーづくりはBくん、Cくん、Dくんで行い、ジュースづくりを経験したBくん、CくんはDくんに教えながら行うことや率先して大人に次の工程は何か聞き、周りに教えます。コップにゼリーを分けていた時にコップの数と残りのゼリーが足りなくなると、自分たちで考え、初めに多く入れたコップから半分移していくことを思いつき、移しかえて人数分作ることができました。
誕生日会
誕生日会当日は主役の子が遊びたい遊びをみんなで一緒に遊びました。遊びの後にプレゼントを渡す係、ゼリーを運ぶ係をそれぞれ決め、テーブルの上にゼリーを用意してみんなでハッピーバースデーの歌を歌い、プレゼントを渡しました。お祝いをしてもらったDくんとEくんは「5歳になったんだよ」「うれしい」と笑顔いっぱいで喜んでいました。
一度経験したことで2回目には初めて行う子に自分たちで伝え合う、子ども同士の学び合いの姿がありました。また、ジュースづくりでは次にやる工程を聞いていた子どもたちが、ゼリーづくりでは自分たちで考え、実際に行動するようになり、グループ活動で大切にしている人間力の育ちを感じました。また、ねらいとして幼児期の終わりまでに育ってほしい10の姿のかかわる力を活動を行う中で伸ばして行きたいと思っていました。
実際の活動の中では買い物で「社会生活との関わり」や砂糖の袋を支えたり、数を数えて入れる量を教える、一度経験したことを他児に伝える「協同性や道徳性・規範意識の芽生え」の場面からかかわる力が育っているように感じました。活動がつながり、経験が増えるとともに「コップにゼリーを分けていた時にコップの数と残りのゼリーが足りなくなると、初めに多く入れたコップから半分移していくことを思いつき、移しかえて人数分作ることができた」場面など自分たちで考える「思考力の芽生え」の場面が増えていく様子や量を均等にすること、入れる数を数えるなど「数量や図形、文字などへの関心」などの学ぶ力が伸びていると感じました。
今後も継続的な活動を行っていくとともに、幼児期の終わりまでに育ってほしい10の姿で育ちを見つめなおしながら活動していきたいと思います。
文:発達支援つむぎ 新羽ルーム 職員
発達支援つむぎ 新羽ルーム施設情報を見る