発達支援つむぎ ふじみ野「思考力を育む保育」

発達支援つむぎ ふじみ野ルームはふじみ野どろんこ保育園と併設し、ともに過ごしています。インクルーシブ保育の中で育つ力を紹介したいと思います。

保育所保育指針にある幼児期の終わりまでに育ってほしい10の姿の項目の一つに「思考力の芽生え」があります。

「思考力」は工夫、発見、実験から芽生えると言われています。

例えば、この写真の細長いベンチどのように使うと思いますか?

園庭にあるベンチ

大人が見れば「座って使うもの」とたいていは答えるでしょう。しかし、子どもは違います。

ベンチを土管に立てかけはしごのように使ったり、並べて長くすることで電車に見立てたり。子どもたちは大人が想像する以上に一つの物を使って遊びを発展させる力をもっています。

ベンチをシーソーに見立てて遊ぶ子どもたち

この写真では、二つのベンチをシーソーに見立てて組み合わせて遊ぶ姿が見られています。

子どもたちはシーソーの仕組みを思い返し、シーソーのように動くよう工夫しています。大人がベンチは座るものと教えてしまえば、この思考する姿は見られなかったと思います。

さらに、同じベンチで乳児は座って遊び、幼児は立ってバランスを取る姿も見られました。

危ないからと制限をかけすぎないことで子どもたち自身が経験から危なくないように考えて行動する危機管理能力が育まれています。また年上の子が年下の子に教えるなど伝え合うことをしています。

コップに水を入れて運ぶ子ども

シーソーにコップの水を入れて運ぶAくん、何をしているのか見守っていると、シーソーの上にコップをのせてバランスを取りたい様子。水を置いてはこぼすことを何度も繰り返すうちに徐々にコップを置く位置をずらしていき、真ん中に置けばこぼさずに置けることに気が付きました。まさに工夫、実験、発見の瞬間でした。

スタッフは1人で試行錯誤している姿を手助けせずに見届けました。このことは、この子にとって思考力が芽生えた瞬間にみえました。

ベンチの上に立ってバランスをとる子ども

インクルーシブ保育の中で子どもたちは年齢に関係なく混ざり合って遊んでいます。誰が遊びの提案をしても良いのです。先に紹介した土管にはしごをかける遊びは、Sくんの発案でした。それは忍者修行ごっこに発展し、今では沢山の子どもたちが一緒に楽しんでいます。そして運動会など行事の場面でも忍者ごっこは取り入れられました。

ベンチを立てかけてはしご代わりにする子ども

思考力を育むために、物の性質や仕組みを自ら感じ、気が付いたり、考えたり、予想したり、友だちの考えに触れて工夫しようとする。それが実現できるような環境を整え、子どもたち一人ひとりが主体的に活動できるような保育・療育を通じた子育てを今後も大切にしていきたいと思います。

文:発達支援つむぎ ふじみ野ルームスタッフ

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