発達支援つむぎ 池尻「初めての挑戦 ベランダで野菜作り」
2021.10.21
#発達支援
発達支援つむぎ 池尻ルームでは、ベランダのプランターで野菜を育てることに挑戦しています。中型プランター3つとコンテナ型1台。キュウリ、ナス、オクラ、さつまいもが所狭しと、植わっています。子どもたちに自分で育てたものを自分で食すという経験をしてもらいたいと思い、始めました。
集団活動の一環として、種から育てることに挑戦しています。重い土をスコップで運び、土の感触を楽しみ、泥だらけになりながら植床作りに励みました。子どもたちは植物の成長を楽しみにつむぎに通い、部屋に入ると真っ先に水やりに行きます。集団活動がない日は、個別活動の子どもたちが代わりにお水をあげてくれていました。
自分たちで植えた小さな種から芽が出る姿を見て、「小さいね」「かわいいなぁ」「私の植えたナスが芽を出した、うれしい」と感想を伝え合う姿は、とても微笑ましい光景です。
野菜が大きくなることを楽しみに観察しながら見守り、大切に育てることで責任感が育まれ、食物を育てる大変さも知ることができました。植物の育ちと一緒に、子どもたちの好奇心、観察力、生命を感じる心が育っているのを感じます。陽の光と子どもたちの愛情をたっぷりに浴びた野菜たちはすくすくと育ち、たくさんの実をつけました。
いざ、収穫です。「どんな味がするんだろう?」「スーパーで買ったのよりおいしいのかな?」「変な形だねぇ、変な味なのかな?」「どうやって食べたらおいしいかな?」と想像も膨らみます。この日は、オクラをハサミで収穫し、板ずりをしてからサッと湯がき、好みの調味料で食べました。ハサミで切るのも一苦労。紙を切るのとはわけが違います。しっかり見て、支えてギュッと力を入れて切らなくてはなりません。初めてオクラを触った子も多く、「毛があるね」と不思議そうに観察していました。板ずりは力加減が難しいようで、つぶさない程度の力でコロコロと転がすのに必死な様子がありました。大きく育ちすぎていたので、かなり筋張っていましたが、子どもたちは自分で育てたオクラを嬉しそうに食していました。今まで野菜を一切食べなかったHくん。初めて口にした野菜を完食。「なんでだか分からないけれど、涙が出るくらい嬉しい」との感想に、職員も涙が出るくらい嬉しかったのは言うまでもありません。
人間にとって美味しいものは、虫たちにとっても最高のごちそうです。ナスの葉や実を食べる虫がたくさんやってきます。大人にとっては害虫と思ってしまうような虫も、子どもにとっては仲間。「育てたい」という子どもたち。害虫として駆除するのではなく、どんな成虫に育つのかと目を輝かせ、名前を付けて世話をする姿は優しさに溢れていました。
夏野菜が終わり、入れ替えの時期です。どんなものを育てて、どんな風に食べてみたいか…子どもたちと一緒に考えてみようと思います。
文:発達支援つむぎ 池尻ルーム職員
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