発達支援つむぎ 池尻「いつでも、どこでも」

2021.11.25

#発達支援

発達支援つむぎ 池尻ルームでは、どんな場所もどんな瞬間も学びの場と捉えて子どもたちと活動を行っています。

これは、職員が作業する事務所を使って池尻ルーム全体で宝探しをしているところです。部屋の隅に隠された宝に手を伸ばして一生懸命にとっています。事務所を職員が仕事をする場所と限定せずに、子どもたちも自由に出入りができるようにしています。もちろん職員がいるときのみではあり、職員が出払う時には施錠をしています。普段、机にはパソコンや書類が置いてあることもありますが、子どもたちにとっては相手が大事にしているものを知る機会であり、それをどう扱うかもしくは触らないようにするかなどを考えることも学びの一つと捉えています。

宝探し中の子どもたち

これは、目黒川緑道での活動場面です。Mちゃんは室内では歩きたがらず、お尻を床につけたまま足で漕ぐように移動します。この日も外でお尻をついたまま移動していました。

歩道に座り込む子
遊歩道に座り込んで、鯉の餌やりをしていると突然強い風が吹き、大事に持っていた餌の入った紙コップが飛ばされてしまいました。そこで、職員がMちゃんに「急いで取りに行かないと飛ばされちゃうよ」と言葉を掛けました。すると歩きたい気持ちが自然と生まれたのか、Mちゃんはすくっと立って歩き始めたのです。自然のいたずらと職員の言葉かけがMちゃんの気持ちをグッと後押しした瞬間でした。

歩く職員と子ども

いつもは外に出たがらないS君。この日は雨にも関わらず「外でシャボン玉をやりたい!」と意欲を見せ、初めて自分からやりたいことを主張しました。雨のため、皆で室内活動をしようと考えていた職員。S君の初めての主張を大切にしたいと考えて個別に対応し、雨の中でシャボン玉遊びを開始しました。思いが叶ったS君は、意欲的に遊びこみ、いつになくとても楽しそうでした。気づくとS君の周りには友だちが集まり、雨の中みんなでシャボン玉遊びを楽しみました。S君は次の週もまた、自分のやりたいことを伝えることができ、大きな成長が見られました。

シャボン玉をする子ども

どんな時も子どもの思いに寄り添って柔軟に対応することで、子どもたちは自分の思いを受け止めてくれる大人がいることに安心を覚えます。そしてどんな時でもどんな場所でも信頼できる大人がいれば、子どもたちは安心して活動に集中することができます。いつもと異なる環境で活動することで新しい発見や学びが生まれることもあります。つむぎ池尻ルームでは、子どもたちの学びの場や時間を限定せず、「いまだ」と思う瞬間を逃さずに、学びの芽を育てていくことを大切にしています。子どもの発達を見極め、これから必要な力や支援について常に考えながら、遊びの中に学びに繋がる仕掛けを散りばめる…。これこそが私たちの専門性だと考え、日々活動しています。

文:発達支援つむぎ 池尻ルーム職員

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