発達支援つむぎ 池尻「日常の中で数量や図形に触れる」

2021.12.23

#発達支援

戸外での活動を通し、子どもたちの社会性や道徳性が身についたり、生きものや植物とのふれあいが経験できたりするのは容易に想像ができると思います。今回はそれに加え、発達支援つむぎ 池尻ルームの戸外活動で、数量や図形に関する興味を引き出したり、言語の獲得につなげたりする様子をお伝えしたいと思います。

標識を指差す子どもたち
(写真2)

グループでの戸外活動の中で、「形探し」に行った時の様子です。目黒川緑道を歩きながら、まる・さんかく・しかくはどこにあるかなと周りを見渡します。すると一人の子が「さんかく、あった!」と指さしながら標識の方へ駆け寄りました。それに気付き、みんなで「さんかく!さんかく!」と嬉しそうに指をさしています。

発見できた喜びや誇らしさからもっと探すぞとやる気になり、自転車の車輪やマンホール、緑道に咲いている花の形、家の窓の形など次々と発見する事ができました。中には空を飛んでいる飛行機を指さし、「さんかくあった!」と言う子。職員がどこに三角があるのだろうと子どもに聞くと「飛行機の羽根の所が三角」と得意気に話してくれ、子どもの発見する力に驚かされました。

丸の形を見つけた子どもたち

普段何気なく見ているものには様々な形がたくさん隠れている事に気づき、新しい発見をすることができました。その後も、普段の生活の中で、買い物に行くたびに「形探し」を楽しんでいるようです。

かたさ確認する子ども

こちらは反対言葉探しに行った時の様子です。事前に机をトントン叩きながら「かたい」、自分の頬を触りながら「やわらかい」などと確認していざ出発。緑道に出ると地面を叩いて「これはかたい」とさっそく発見。「かたい」が見つかると今度は「やわらかい」を探し始めました。葉っぱはやわらかいと思って触ってみると「チクチクする」と予想外の感触に驚く姿も見られました。「チクチクの反対はなんだろう?」そんな疑問も生まれ、言葉への探求は広がります。

その後も緑道にいるコイを見て「あのコイが一番大きい」「白いのは小さいね、赤ちゃんかな」「黒いのは同じくらいだね」と大きさの表現に気づいたり、自分より背の高い木を見て「ぼくのほうが低いね」と背比べをしたりしながら、様々な比較表現に触れることができました。

戸外での活動という日常の中で、いつも見ている風景に溶け込んでいる数や形、大小などに目を向けるきっかけ作りをし、数量や図形などへの関心や感覚が高まるといいなと見守っています。

文:発達支援つむぎ 池尻ルーム職員

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