発達支援つむぎ 池尻「地域交流から育まれるもの」

2022.01.27

#発達支援

発達支援つむぎ 池尻ルームでは、子どもたちの育つ地域と交流を図ることで、地域ぐるみで子どもを支え・見守ってもらえるような関係が生まれることを願い、積極的に地域に出ていく活動を行っています。そんなつむぎ池尻ルームの地域交流の様子をご紹介します。

地域の方とお話する子ども

これは、個別の支援で目黒川緑道を散歩していた時の一場面です。歩いている途中、道の下から水の音がしていることに気づいたN君。職員に「なんで水の音がするの?」と質問をしました。すると、たまたま通りかかった地域の方が「ここには下水が通っているのよ」と教えてくれました。少し移動して、今度は一緒に鯉を見ることに。徐々にその地域の方とも慣れてきて、会話が どんどん弾んできました。色々な経験をされているので何でも優しく答えてくださり、N君も「なんで?なんで?」と興味を持ち、一生懸命話を聞いていました。

初めての場所や初めての人と関わることが苦手なN君ですが、 地域の方の温かさを感じ、親しみや信頼の気持ちが生まれ、自然と関わることができていました。帰り道、「わからないことがあれば、またあの人に聞けばいいんだね」と嬉しそうに話をしていました。

餌を入れる箱をつくる様子

緑道にいる鯉にエサをあげることがお気に入りのMちゃん。ただ餌をあげにいくだけではなく、今回はエサを入れる箱を作ることにしました。制作活動があまり好きではなく、いつもは「やらない」と首を横に振ることが多いMちゃんですが、今回は「餌をあげたい」という気持ちから、積極的に制作を行っていました。

 
餌箱を地域の方に見せる子ども

緑道に出ると、いつも掃除をしてくださっているWさんに遭遇。Mちゃんが自分の作ったエサ箱を誇らしげに見せると、それを見たWさんが「かっこいいね」「上手だね」と褒めてくださいました。地域の方にも子育てを担ってもらうことで、「子育てをみんなで楽しむ」という輪が広がったのを感じた瞬間でした。子どもたちも、いつもとは違う大人に褒めてもらえたり認めてもらえたりすることで、さらなる自信に繋がるようです。

老人ホームへの訪問

12月には、近くにある養護老人ホーム「白寿荘」へ伺いました。 コロナ禍ということで交流はできませんでしたが、サンタさんに変身してプレゼントを届けました。子どもたちは集団支援の中で、初めて「誰かに喜んでもらうための制作」に挑戦しました。相手に喜ばれ感謝される体験や、他の人を慈しむ優しい気持ちが、子どもたちの心を成長させます。

いつもと違う場所に少し緊張気味でしたが、一生懸命作った作品を喜んでもらおうと、「雪だるま描いたんだよ!」とアピール。喜んでもらえている顔を見て気持ちもほぐれたのか、「おばあちゃん何歳なの?100歳まで頑張ってね」などと徐々に会話が弾み、心温まる交流となりました。

子どもたちは、多くの大人に見守られることで自己有用感を高め、思いやりの気持ちや人の役に立とうとする気持ちが育まれます。子どもたちの成長のためにも、これからも地域を愛し、地域から愛されるつむぎ池尻ルームで居たいな…と思っています。

文:発達支援つむぎ 池尻ルーム職員

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