発達支援つむぎ 池尻「感触遊びってこんなに楽しい~小麦粉粘土や寒天遊び~」

2022.06.23

#発達支援

発達支援つむぎ 池尻ルームでは、年間の活動計画【造形】の4月から6月に、「いろいろな素材に触れる」という目標を立てました。まずは、知らないものや触ったことのないものに触れる経験や体験が自分自身の得意や苦手を見つけるきっかけとなります。そこから、今年、つむぎ池尻ルームが目指している「好きなことを見つける」ことにつながっていくのではと考えました。

「感触遊び」とは、寒天や新聞紙など身の回りのものを使って、ドロドロ、ベタベタ、サラサラ、冷たい、温かい、などのいろいろな感触を手足で感じながら、五感(視る・聴く・嗅ぐ・触わる・味わう)を刺激していく遊びです。さらに、さまざまな素材の感触を確かめることは、指先の感覚を育んだり、「これにさわったらどんな感じがするだろう」と想像力や思考力を高めたりすることにつながります。

寒天

実際に、感触遊びで子どもたちにどのような反応や変化が見られるのか、あるグループの感触遊びに約1か月密着してみました。

4月19日 小麦粉粘土

小麦粉粘土は、小麦粉:水=3:1の割合で混ぜます。小麦粉に水を少しずつ入れて固さを調整しながら混ぜていきます。塩を混ぜると日持ちします。

子どもたちは「固まった」「どんな色になったの?」「見せて」「手にベタベタついて離れない」「全部の色を混ぜたい」「水を入れすぎてドロドロ」「うまく型から離れない」など、さまざまな感じ方を表現します。解決策を考えたり、他者と感想を分かち合ったり、やりとりする場面が生まれました。

小麦粉をこねる子どもたち
4月26日 片栗粉スライム

片栗粉スライムは、片栗粉100gに水を少しずつ入れるだけで遊ぶことができます。

まずは粉だけを触り「ふわふわして雪みたい」という反応があり、それに水を入れると「なんですくえないの?」「ドロドロなのに固い」と感触の変化を感じる様子が見られました。「ジュースみたいだね」と何かに見立てる遊びに広がり、想像力が溢れる瞬間でした。

片栗スライムで遊ぶ子ども
5月10日 寒天遊び

3回目になると、「またあの混ぜるやつ、やりたい」と、感触遊びのリクエストが子どもから出てきました。

寒天は水500mlに粉末寒天2gを入れて、よく混ぜます。電子レンジ600wで3分程度加熱します。容器に移し替えて冷蔵庫で固めると、ひんやりした寒天の出来上がりです。ゼリーのような美味しそうな寒天に、「わぁ」と目を輝かせます。手でぐしゃっと潰したり、型抜きをしてみたり遊び方はさまざまです。

ところが、使いたい道具がひとつしかない…。ここで道具の取り合いが起きました。譲る?でも使いたい。貸してって言ってみようかな。などさまざまな葛藤があったかもしれません。その葛藤をどう乗り越えるのか、考える大事な経験になりました。

寒天遊び
5月17日 絵の具遊び

これまでは、触ることに抵抗を感じていた子が、この日は筆を持って絵の具をぐるぐる混ぜる様子がありました。苦手な感覚や感触も、方法や道具を変えたり、少しの工夫をしたりするだけで、今までできなかったことができるようになることもあります。

絵の具遊び

グループに密着して見えてきたことは、感触遊びを通して、子どもたちは手先の使い方や道具を操作する力、自分で解決策を考える力、集中して遊び込むことによる集中力を身につけることができるということです。また、苦手なことに挑戦してみる場面や、感想や道具を他者と共有する(相手に伝える/相手を受け入れる)という機会が見られました。 どれも作り方はとっても簡単です!ぜひお家でも遊んでみてください。

文:発達支援つむぎ 池尻ルーム 職員

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