発達支援つむぎ 池尻「どうしたら育つかな、自分たちで考える畑仕事」
2022.07.21
#発達支援
発達支援つむぎ 池尻ルームでは、ベランダのプランターでトマトときゅうりの夏野菜を育てています。
プランターに土を入れるところから子どもたちが行い、どのようにしたら袋から土を移し替えることができるのかを全員で考えました。スコップで土を入れることになりましたが、全員が一斉にスコップを袋の中に入れて土をすくおうとするため、狭くて上手く行えません。狭くてぶつかることが続き「もうあっち行ってよ」「ちょっとやめてよ」と言い合う場面がありました。
スタッフが「みんなが一気にスコップ入れるとうまく土が入らないね」と言葉を掛けると一旦手を止めて子どもたちは考え始めました。
1人の子が「順番で入れていったらいいんじゃない」と言うと「そうしよう」とみんなが賛成しました。しかし、今度は誰から土を入れていくかという順番の問題が起こりました。
「ジャンケンで決めよう」と1人の子が提案したことにより、じゃんけんが始まりました。
順番が決まり一人ずつ土を入れていきましたが、予想以上に時間がかかり子どもたちは疲れてきたようです。その様子に気づいた子どもが「もう一気に土入れちゃえばいいんじゃない」と言いました。いざ袋をひっくり返してみるとプランターからたくさんの土が溢れ出し、子どもたちは驚いた表情をしながら溢れた土を見ていました。
溢れた土をどうするかな、とスタッフが見守っていると子どもたちは土で遊び始めました。 スタッフが「この土は野菜が大きく育つための栄養が入っている大切な土なんだよ」という事を伝えました。そうすると土で遊んでいた子どもたちは何か感じ取ったのか「じゃあ袋の中に戻す」と言い溢れた土をもとの袋に戻し始めました。 もしかしたら子どもたちにとって土は遊ぶためだけにあるものだと思っていたのかもしれません。しかしスタッフの言葉かけによって、普段遊んでいる土とは違い、今回の土は野菜にとって、育つために大切なものであると知ることができたようです。一週間後には芽が出てきました。子どもたちに芽が出たことを伝えると「どれどれ」と言いながらプランターの周りに集まりました。「雨が降ったから大きくなったのかな、雨のおかげだ」と言う子に「じゃあ雨が降らなかったら大きくならないってこと?」とスタッフが尋ねました。するとその子どもは、「お水をあげればいい。大きくなるんじゃないかな、僕がお水をあげる」と言い、水をあげはじめました。
誰かに言われてやるのではなく、大きくなるためにはどうしたらいいのかを自分で考えて判断し、行動する経験になったのではないかと思います。
まだ芽が出たばかりですが、早く花が咲き、実がならないかなと子どもたちもスタッフも日々楽しみに待っています。今後も、植物の成長と共に子どもたち自身の気持ちや行動の変化や成長についても見守っていきたいと思います。
文:発達支援つむぎ 池尻ルーム スタッフ
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