発達支援つむぎ 吉祥寺「調べ学習~好きなことを伝える!~」

2022.04.26

#発達支援

こんにちは。発達支援つむぎ 吉祥寺ルームです。

つむぎ吉祥寺ルームの近くには、公営の図書館があり、子どもたちもよく利用しています。今回は、その図書館を使った支援についてお伝えします。

ある日、グループ支援で図書館へ行った時のことです。その日は好きな本を借りて読み、みんなに紹介しようというテーマの活動でした。

A君も好きな本を借りて、いざ帰ろうとしたとき、「やっぱり怪獣の本が良い!」と、検索機の前で探し始めます。もうつむぎに帰る時間になっていたため、スタッフが言葉かけしますが、なかなか諦められません。そこで、「今度、つむぎに来るときに、ゆっくり借りに来たらいいんじゃない?」と、あるスタッフが提案しました。A君も納得し、その日は気持ちを切り替え、帰ることにしました。

帰り道でも、ずっと怪獣の話をしているA君を見て、よっぽど好きで怪獣のことを伝えたいのだなと感じたスタッフは、「怪獣のことを調べて、みんなに教えてあげようか?」と話しかけます。「いいよ!!」と嬉しそうにA君は笑いました。

後日、スタッフと一緒に再度図書館へ行きました。

検索機を使いながら、目的の本を探していきます。わからないことがあったら聞いてねと声をかけ、スタッフはしばらく見守ります。後ろに並んでいる人がいなかったので、ゆっくり時間をかけて探すことができました。

時々、「ねえねえ、〇〇はどうするの?」など、スタッフに聞きながら、怪獣の本を探していきます。初めは自分で歩き回りながら探しましたが、なかなか見つかりません。「見つからないね。誰か知ってる人いるかなあ?」とスタッフが話しかけると、はっとした顔をして「あそこの人に聞いてみる。」と、受付の人を指してA君は言いました。

早速聞きに行ってみると、なんと目的の本はこの図書館には無く、別の場所にあるとのことでした。今日、借りることができないとわかり、A君はがっかりしてしまいました。本は取り寄せてもらうことにして、二週間後、ようやくA君の元に届きました。

怪獣について調べたことを紙に書きました

借りた本と、A君が自宅から持ってきた本を使いながら、怪獣について調べていきます。

みんなに何を伝えたいか聞くと、「怪獣のすごさを伝えたい!」という返事が返ってきました。じゃあ、何を伝えればすごさが伝わるのか一緒に考えた結果、五つの項目を決めました。

全部書くのは大変じゃないかと心配になりつつも、スタッフは黙って見守りました。すると、初めは自分で書いていたA君ですが、途中で、「ここは書いて。」と、手助けを求める声が上がりました。初めから手伝うことは簡単でしたが、見守ったおかげで、A君は自分から手伝って欲しい旨を伝えることができました。

試行錯誤の結果、怪獣のすごさを伝える作品が完成しました。お母さんの前で発表し、作品はつむぎの皆が見ることができるように、壁面に飾りました。出来上がったときの充実感の漂った顔は、今でもはっきり覚えています。

作品とA君

つむぎ吉祥寺ルームでは、子どもの好奇心を大切にしながら、それについて調べたり、誰かに話して伝えたりする活動を取り入れていきながら、人とコミュニケーションを取る力や、事象を自分なりに捉えて思考していく力を育てていけるような支援をしていきたいと考えています。

文:発達支援つむぎ 吉祥寺ルーム職員

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