発達支援つむぎ 北千住「命をいただく」

2023.12.13

#発達支援

発達支援つむぎ 北千住ルームでは、併設している北千住どろんこ保育園と共に、鶏やヤギを飼育し、毎日世話をする事で、命の大切さや、動物を飼うという事の意味を体感して学んでいます。

また、食育として鶏を絞め、捌き、食べる事で、命をいただいているという事を実感し、子どもたちと「命をいただく」ことを考える為の活動も行っています。

今年もこの「食育活動」を行う時期がやってきました。

何ヵ月も前から家畜とは何か、スーパーで売っている肉はどの様に作られているのかを話し合ったり、絵本を見たりと、活動への理解を深めるために準備をしてきました。また、生きている鶏を捌く前に、魚の解体を見る機会を通して心の準備もしてきました。

魚の解体の様子

そして当日、まずは生きている鶏の体に触れ、命のあたたかさを感じます。

子どもたちは、「触りたい」と集まって来て「あたたかい」「かわいい」と笑顔で楽しそうに鶏に触れています。

生きた鶏を触る子どもたち

いよいよ鶏を捌いていきます。

鶏に目隠しをし、準備が進んでいくにつれ、笑顔だった子どもたちの表情が徐々に真剣になり、一気に場の空気が緊張感に包まれます。

そして鶏を絞める時、目や耳をふさぐ子、泣いてしまう子もいましたが、命が消えていく最後の瞬間まで、しっかりとみんなで見届けました。

鶏を絞める様子

首を切り落とし、血抜きをするために鶏の体を紐にくくり吊るします。

もう一度子どもたちに鶏の体に触れてもらうと、「まだ暖かい」「冷たい」と感じ方はそれぞれですが、生きている鶏に触れた時の笑顔はなく、じっくりと鶏の体に手を添えその手にしっかりと鶏の体温を感じている様でした。

死んだ鶏に触れる子どもたち

血抜きを終えると、熱湯を鶏にかけ、羽根を取ります。

羽根が無くなり肉になると、先程までの緊張感は無くなり、子どもたちの目に映っているのは生き物ではなく、食べ物に変わります。「おいしそう」、「お腹すいた」、と話す子どもたち。

鶏の内臓を観察し、最後にその肉を焼き、みんなで大切にいただきました。

鶏の内臓を観察する子どもたち

活動を終えた直後の子どもたちの意見を聞くと、かわいそうという意見が多く出ましたが、その日の給食の時間、子どもたちは手を合わせ丁寧にいただきますと言っていました。

そして、残すのではなく食べられる量に自分で調整して盛り付けをしたり、「残さないで食べる」と言って給食をきれいに完食したりする子どもたちを見て、活動を通してそれぞれが大切な事を感じ、学ぶ事ができたのだと実感しました。

文:発達支援つむぎ 北千住ルームスタッフ

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