発達支援つむぎ 新羽「12月体験学習 ~正月飾り作り~」
2025.02.07
#発達支援
私たちは、ホンモノの体験を保証し「点」ではなく「線」に変える支援を行っています。今回は、子どもたちと園庭の田んぼで育てた稲の藁と、日頃の戸外活動の散歩先で見つけた木の実などの自然物を使って正月飾り作りを体験し、日本の季節行事に触れながら製作活動を楽しみました。
正月飾りや材料、道具の説明では、スタッフが子どもたちに藁を見せて「これは何でしょう」と尋ね、「お米だ」という声が上がりました。稲を育て、収穫から脱穀まで日頃の活動の中で子どもたちと一緒に行ってきたので、子どもたちは稲だとすぐに分かりました。
正月飾り作りの工程は、霧吹きや雑巾で藁を湿らせるところから始まります。始めは興味を示さなかった子も霧吹きポンプを見せると、駆け寄って来て、ポンプを使って藁を湿らせます。「手伝ってあげる」と言って友だちを手伝い、2人で協力して藁を湿らせる姿もありました。いろいろな種類の道具や材料を用意することで、子どもたち各々が好きなものを見つけ自分でやりたいことを選んでいました。

藁を湿らせたら、次はしめ縄作りです。しめ縄は2つに分けた藁の束をそれぞれねじって、2つをねじり合わせます。
ねじった藁は手を放してしまうと元に戻ってしまいます。子どもたちには少々難しい作業なので、ここで親子力を合わせての共同作業が必要となります。藁を持つ役割をしながら、親が編む様子を観察する子、「自分でやりたい」と意欲的な子は親が藁を持ち、スタッフに編み方を教わりながら頑張って編んでいました。
しめ縄作りの作業工程でそれぞれができる作業を見つけられる環境を用意し、藁の感触、しっかり縄をつかむ手指の力の入れ方、藁をねじることによる手首の運動や左右の手の分離運動と様々な支援につながる体験をしました。

しめ縄が完成すると、いよいよ飾り付けです。飾り付けコーナーでは「何色にしようかな?」と折り紙やカラーペンを選ぶ子、見本のヘビやだるまを見て「これ、どうやって作るの?自分でつくりたい」とスタッフに伝えてくる子、折り図を見ながら折り紙を折り始める子と、各々が自分で考え、選択し、意欲的に飾り付けに取り組んでいました。
いつも散歩先でどんぐり拾いが好きな子は、黙々とどんぐりを付けていました。散歩先で集めたどんぐりなどの自然物や子どもたちが活動の中で興味を持ち始めた折り紙を材料としたことで、日頃の活動とつながり子どもたちが取り組みやすい活動になりました。
体験学習で見本を見ながら飾り付けを体験したことで、どんぐりや折り紙の活用の仕方など遊びの幅が広がる機会にもなりました。
自分の正月飾りを早く作り終えた子は「○○君の分を作ってあげる」と言って参加できなかった友だちの正月飾りを作ってあげ、友だちを気にかける様子も見られました。気づけば保護者の方も飾り付けに夢中になっていて、親子で楽しんでいました。

最後に完成した正月飾りをテーブルに並べると「これ可愛いね」「これ、おしゃれだね」と個性あふれる作品を見て親子や友だち同士で感想を言い合っていました。

今回の正月飾り作り体験が、日本の季節行事に触れるいい機会になりました。
私たちはこれからも、子どもたち各々の「好き」を取り入れた一つ一つの活動が「線」で繋がる工夫をし、子どもたちの興味や関心が広がるような支援をしていきたいです。そして、様々な体験を通して子どもたちが自分で考え、行動できるよう、子どもたちを育てていきたいと考えています。
文:発達支援つむぎ 新羽ルームスタッフ
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