発達支援つむぎ 桶川「畑の大根と魚であら汁を作ろう」
2024.04.01
#発達支援
発達支援つむぎ 桶川ルームの2月の体験学習は、「食の循環を知る」というねらいをもって、食育体験を行いました。
「食の循環を知る」という経験ができるよう、9月の体験学習で大根の種まきをし、1月の体験学習で収穫、そして今回がいよいよ調理をして食べる回となりました。
大根を切る前にまずは、あら汁に使う魚の解体を見学しました。
今回使った魚は「いなだ」という魚です。最近スーパーでも切り身で見ることの方が多く、なかなかご家庭でさばいて食べる経験も少ないかと思います。
まずは魚のからだをじっくり観察しました。
「口の中はどうなっているのかな?」と言いながらスタッフが魚をもって子どもの近くで見せてあげると、大きな魚に子どもたちも興味津々で覗き込みます。
ただ見るだけではなく、魚の体はどんな感触をしているのか、実際に触って確かめてみました。
子どもたちにとっては大きく感じるサイズだったため、最初は少し怖くて手を伸ばせない子もいましたが、おそるおそる指先で触れてみます。
「触った手の匂いを嗅いでみて」というスタッフの言葉を聞き、匂いを嗅いでみると「臭い!」という感想がでてきましたが、臭いとわかっていながらももう一度触ってみては匂いを嗅いでみている子もいました。
包丁を入れていく時にはみんな真剣な面持ちです。
今回は内臓を事前に取り除いたものではありましたが、おなかの中にみんなと同じ心臓などがあること伝えていきながらさばいていきました。
さばいているときに、「どんな音がする?」と耳をすませて聴いてみます。「ごりごりって聞こえた」と包丁が骨に当たった音を感じることができました。
魚のあらの処理をしている間に、子どもたちはだしをとるために水を量ります。一人ずつ順番に計量カップのメモリをみながら少しずつ水を注いでいきますが、他の子がやっている時にもみんなでメモリをみて「もうちょっと」「もういいよ」と声をかけあいながら協力していました。
火にかけている間に、次は大根を包丁で切る体験です。滑らないように、慎重に、スタッフと一緒に切っていきます。
「1・2・3・4・5…」と数を数えて楽しみながら切っている子がいる一方で、切るのが不安な様子で「やっぱやめとこうかな」と離れていってしまう子もいました。
友だちが切った大根をざるに入れてもらう役割をしながら、切っている様子を観察し、やってみようとなるまで待ちます。
みんなが一通り体験したあとで、「やってみる?一緒にやるから大丈夫だよ」と言葉をかけると「やってみる」と包丁を持ち挑戦することができました。
切った大根を火にかけている鍋に入れていきます。「お鍋の周りは熱いから気を付けて入れてね」と伝えると鍋の淵を気にしながら慎重に入れていました。
次に魚の臭みを取るために、さばいた魚に塩を振っていきます。指先で塩をつまんでいきますが、塩の感触が楽しくて、つまんで振るよりも掌で触って感触を楽しんでいる子もいました。
野菜と魚を煮ている間に、次はおにぎり作りです。ラップの上にしゃもじでごはんを乗せ、にぎっていきます。
三角の形になかなかならずに「どうやってやるの?」と苦戦する様子もありましたが、見本をみながら試行錯誤して作っていました。
自分の分だけでなくママの分も握ります。「どれぐらいにする?」とママに量を聞きながらのせていました。
あら汁ができあがったので、食べる準備をします。自分でおたまでお椀によそい、テーブルまで運びました。自分たちで握ったおにぎりと一緒にいただきます。
何杯もおかわりに行く子もいるほど、あら汁もとてもおいしく出来上がり、「おいしいね」と共有しながらみんなで一緒に食べる時間を楽しみました。
食べながら保護者の方々に今回の体験の感想を聞いていくと、「普段魚を家でさばくこともなかなかできないのでとてもいい経験ができた」「包丁を家でさせるのは少しためらってしまうので経験ができて有意義な時間になった」と満足なお声もいただき、心もおなかもぽかぽかです。
次年度も畑で育てた食材をつかって調理をする体験学習を予定しております。子どもたちが自らの感覚や体験を通して、食材や食の循環・環境への意識を育てられるように、これからもたくさんホンモノの経験をしていければと思いますので、2024年度もどうぞよろしくお願いいたします。
文:発達支援つむぎ 桶川ルームスタッフ
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