発達支援つむぎ 篠栗「Aちゃんの気持ちは?~インクルーシブ教育の風が吹き出した」

2024.10.15

#発達支援

どろんこ会グループで九州初となる児童発達支援事業所「発達支援つむぎ 篠栗ルーム」が5月から開所し、少しずつ九州のどろんこ会のインクルーシブ教育が広がっています。

先日、こんな出来事がありました。

食物アレルギーのあるAちゃんは食事の間、専用の場所でご飯を頂いていました。でもそうするとアレルギー源の入っている食事をする子どもと混ざって食事をすることができません。最近、仲良くなった友だちと一緒に食事がしたいという本人の希望が出てきて、自分の場所や座席にとても拘る傾向がありました。その気持ちを大切にしたいとスタッフ間で話し合いました。

アレルゲンが少しでも肌にも触れてもいけない、命を守る為には必要な対応策を取る必要がある、Aちゃん本人に理解させることが必要じゃないか、など意見を頂きました。Aちゃんにアレルギーであることをどのようにして理解してもらうのか?など、「納得させる」という視点で考えていました。

先生とこどもの2人で話す様子

でも、命を守ることが最優先であるが、本人に納得をさせることが正解なのか?Aちゃんの気持ちは、どこにいってしまった?と、いろいろな思いが頭に巡りました

スタッフで何度も話し合いが持たれました。

そして、どろんこ会ではインクルーシブ(全ての子どもたちが共生できるように)という考えを大切にしていることに立ち戻ってみました。そこで、友だちを巻き込んでAちゃんの気持ちを伝え、アレルギーのことも知ってもらう機会を作り共感者、理解者を増やしたら良いのではないかという結論に至りました。

子どもたちが横並びで食事をとる様子

早速、園全体に共有する機会を持ったところ、Aちゃんに対して、友だちやスタッフから「Aちゃんの気持ちは、わかっているよ。好きな友だちと食べたいんだね」「アレルギーってなんだろう?」「Aちゃんは、食べられないものがあるんだね」などと、気持ちを共感する言葉やAちゃんのことを理解しようとする光景がみられるようになりました。

それからAちゃんは、アレルギー源から身を守ろうというスタッフの見守りやAちゃんのことを理解してくれようとする友だちの中で自由に席を選んで、好きな友だちと笑顔で給食を頂く姿が見られるようになりました。

食事を選んでいる様子

この件から、支援方針を一律に決めず、スタッフが「Aちゃんの気持ち」を理解し、柔軟な考えを発信し、子どもたちとともによりよい生き方ができる環境を作ることが必要だと改めて感じました。これからも、未来、多様な人々と共生できる社会を実現して生きていく子どもたちとともに、つむぎ 篠栗ルームを盛り上げてまいります。

職員会議の様子

文:発達支援つむぎ 篠栗ルームスタッフ

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