発達支援つむぎ 横浜西口「研究者の誕生~子ども一人ひとりのゾーン体験~」

発達支援つむぎ 横浜西口ルームでは、子ども一人ひとりの興味関心から広がる育ちを大切にしています。

では、なぜ子ども一人ひとりの興味関心を大切にしているのでしょうか?ある日の出来事から、その意味を読み解いていきましょう。

秋が深まり、冬の足音が聞こえ始めたある日、つむぎ横浜西口ルームには一人の研究者が誕生しました。感触遊びが好きなAくんのために、思う存分感触を味わってほしいとスタッフはスライムを用意していました。

ふわふわ、もっちりとしたスライムをまずは麵棒を使って触ってみます。

スライムをつくる子ども

感触の不思議さに魅了されながら、絵の具を足してみたらどうなるのかと新たな疑問が生まれます(健康な心と体)。実は、絵の具はAくんの遊びがより発展し、試行錯誤が豊かになるよう、予めスタッフが準備したものでした。

スライムに絵の具を混ぜる

スライムに混ざりこまない絵の具を見て「ママ、お水(が欲しい)」と、自分のイメージに近づけるための方法を思考します(思考力の芽生え)。絵の具と水を加えれば加えるほど、次第にスライムの形質が変わっていき、気がつけば、とろりん、ねばねばになっていました。手から流れ落ちるスライムは、新たな興味にいざないます。研究は進むほどダイナミックになりました。

絵の具だらけの手

それまで手で触っていたスライムが足につき、その足で立ち上がった瞬間の滑る感触。即席スケート場の完成です。手をついて何度も転びましたが、これはもうたまらないと言わんばかりに、もう一度と立ち上がっては笑顔を見せました。大発明を子ども自ら「みんな○○くん、ここにいるよ」と大きな声で周囲に伝えます。スタッフには、その言葉が「楽しいからみんなおいでよ」に聞こえ、自分の気持ちを分かち合おうとする様子に成長を感じました(言葉による伝えあい)。

足に絵の具をつける子

どろんこ会ではゾーン保育の考え方を取り入れています。ゾーン保育では、子どもたちが複数あるゾーンから、自分たちがやりたいことを選び取り、それに熱中する中での育ちが促されます。Aくんは、スライムの遊びを自ら選び取り、心も体も100%で没頭して過ごしました。ゾーン保育での育ちをスタッフが垣間見た瞬間でもありました。今後も、子どもがそれぞれの興味関心から広がる経験を通して、それぞれのペースで育っていけるよう支援していきたいと思います。

※( )内は、厚生労働省の「保育所保育指針」に示されている「幼児期の終わりまでに育ってほしい10の姿」を表しています。

文:発達支援つむぎ 横浜西口ルーム スタッフ

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