発達支援つむぎ、マリア財団の研究助成事業に決定
2016.03.10
2016年3月4日(金)、社会福祉法人どろんこ会が運営する児童発達支援施設「発達支援つむぎ」は、「乳幼児療育支援における自治体と民間事業所との連携と協働」をテーマとした研究課題において、公益財団法人 マリア財団の募集する研究助成事業に決定いたしました。
研究内容の要約
平成24年4月1日の関係法律の施行により、「児童デイサービスⅠ型」は、児童発達支援を担う児童福祉法に基づく「児童発達支援事業」となった。法整備の目的としては、1.障害のある児童が身近な地域で、適切な支援が受けられる、2.年齢や障害特性に応じた専門的な支援が提供されるよう質の確保を図る、の二つが挙げられる。少しずつ療育に繋がる未就学児は増えてはきているものの、各自治体によって療育環境整備の格差は大きい。療育の待機児も多く存在しており、公平性・公共性の観点から都区内での本事業全体を概観し、今後自治体・民間事業所の協働が障害児発達支援に果たす役割や有効性及び課題を検証・考察したい。併せて、民間事業所における療育の質の向上を図るために、どのような取り組みが必要なのかも明らかにする。
そこで本研究では、まず都内における自治体および児童発達支援事業所に対しインタビュー調査を実施し、現在生じている課題を整理する。また、児童発達支援事業所の利用者(保護者)へもインタビュー調査を実施し、本事業の問題点や課題、療育内容および療育の質について利用者側の意識・要望を明確にする。
調査期間
2016年4月から2017年1月
本研究に関する外部の評価
神奈川大学 杉山教授のコメント
すべての人の笑顔を願う心理学者として、この研究には大きな期待を寄せております。特に現場の担当者や親御さんの生の声が体系的に明らかになる研究デザインに期待が持てます。発達の偏りに困っている子どもさんとそのご家族は昔からたくさんいらっしゃいました。しかし発達の偏りに対する偏見も根強く、社会からはなかなか好意的な関心が向けられにくかった時代もありました。私が学生ボランティアとして関わっていた25年前には、学生ボランティアの中にさえ理解が乏しい人もいたくらいです。
この10年で社会からの目はかなり温かくなりましたが、提供されている支援と本当に必要な支援のマッチングにはまだまだ課題もあります。そして、子どもさん本人も親御さんも今は気づいていないことでも、提供されれば劇的に何かが良くなる支援も潜在的にあるはずです。この研究で、すでに気づかれているニーズが体系化されるだけでなく、未だ気づかれていないニーズが明らかになる可能性を感じています。
杉山教授プロフィール
杉山 崇
- 神奈川大学人間科学部教授 心理相談センター所長
- 臨床心理士(公益法人認定)
- 一級キャリアコンサルティング技能士(国家検定)
- 公益社団法人日本心理学会代議員
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